コロナ禍で外出制限やテレワークの日々を送るなど、苦難の日々が続いています。プロ野球やJリーグなど各種スポーツ、芸能イベントも開催できない状況です。日刊スポーツでは心温まる、ホッとひと息つける「ホッコリ ニッカン」面を新設しました。「日本の色」と題して、鮮やかな写真とともにお届けします。

       ◇     ◇

10日午前、出張のため羽田発の航空機に搭乗した。コロナ禍で乗客の少ない機体が離陸して約15分後、眼下に冠雪する「富士山」が見えた。思わずカメラを手にした。

日本人にとって、富士山は特別なものである。標高3776メートル。2013年には世界文化遺産にも選ばれた。静岡県側や山梨県側と、場所によって姿が変わるが、空から見下ろす姿も雄大だ。

航空機から見える富士山は乗客から人気だ。日本航空、全日空も公式サイトで、羽田と西日本の空港を結ぶ路線のどちら側の座席から見えるか紹介している。空には航空路があり、路線によってルートが変わり、見える位置も違う。羽田発福岡や広島行きなどの路線は富士山の北側を通るので進行方向の左側から、伊丹、那覇行きなどは南側で同右側から見える。搭乗した松山行きは真上を飛行するルートで、飛行条件によっては左側から見られる可能性があるが、ほとんど見ることができないという。どの航空路でも気象状況、時間帯によっては富士山は望むことはできない。真上から撮影できて、幸運だった。【江口和貴】

<撮影データ>4月10日午前10時14分撮影 ソニー「α92」 24-105ミリ(焦点距離43ミリ) ISO感度100 シャッタースピード640分の1 絞り5