コロナ禍で外出制限やテレワークの日々を送るなど、苦難の日々が続いています。プロ野球やJリーグなど各種スポーツ、芸能イベントも開催できない状況です。日刊スポーツでは心温まる、ホッとひと息つける「ホッコリ ニッカン」面を新設しました。「日本の色」と題して、鮮やかな写真とともにお届けします。

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神奈川県箱根町にある強羅駅には、昨年の台風19号の影響で動けなくなった登山電車が止まったまま。車中はオレンジ色に輝き、訪れた人が思い思いに書いた花びら形のメッセージカードが貼られている。箱根湯本-強羅間の代行バスの臨時待合室となっていて、地元の人たちが中心となってイルミネーションなどの飾り付けをした。箱根登山鉄道強羅管区の時田和美助役(52)は「きれいでしょ」と笑顔を見せる。

「インスタ映え」する、と足を運ぶ観光客も少なくない。自身の誕生日に訪れた横川漠さん(20)と庄野小梅さん(19)も記念撮影をし、メッセージを書いた。横川さんは庄野さんとの時間を楽しみ「夢がかなう場所」、庄野さんは横川さんに向けて「誕生日おめでとう」と記した。

駅のホームには地元の函嶺白百合学園の子供たちから贈られたメッセージと応援の旗が飾られている。時田助役は「励みになる」とかみしめる。最初は乗務出来ない日々に戸惑ったが、それも復旧予定の7月下旬までだ。箱根山噴火、台風、新型コロナウイルスと苦労は続く。それでも再び活気を取り戻す日を待つかのように、温かいイルミネーションはともっている。【滝沢徹郎】

<撮影データ>4月10日19時10分撮影 ニコン「D5」 24-70ミリズーム(焦点距離35ミリ) ISO感度400 シャッタースピード60分の1 絞り5.6