東京・築地場外で人気のテークアウト弁当が6月の1カ月限定で、ドン・キホーテ銀座本館の店頭で販売された。初日の1日は午前11時から近江屋牛肉店、築地長生庵、鳥藤(とりとう)の計50個の特製弁当が販売され、約2時間で完売した。

近江屋は「特製ローストビーフ弁当」、長生庵は「かき揚げ天丼弁当」、鳥藤は「やきとり弁当」をそれぞれ破格のワンコイン500円で販売した。

販売する曜日は休市日(豊洲市場の休みの日)となる水、日曜と場外が忙しくなる土曜以外の月、火、木、金曜限定での販売になる。

場外の人気3店舗の弁当がほぼ予告もなく同店店頭で販売されたことで、歩行者が足を止めて「これ、今日だけですか」「本当に500円なの」「1カ月の期間販売なら明日きまーす」など、対面商売を基本とする場外スタッフのトークもあって、売り場にはひっきりなしに立ち寄る“ランチ放浪者”であふれ返った。

6月1日が「世界牛乳の日」であることからJA全農酪農部生乳課の協力もあって、学校給食で使いきれなかった消費期限のある牛乳も無償で提供された。牛乳に関しては12日まで弁当を購入すると無料でサービスされる。

長生庵の松本聰一郎店主は「正直、500円だと赤字ですが、今まで築地は、おいでいただくことはあっても、こちらから別の土地で何かを販売するということが少なかった。6月になって夜の築地での飲食なども銀座の方々にアピールしていきたい。手応えは感じています」と目を輝かせた。

この取り組みは、新型コロナウイルスの感染拡大で、販路を求める地元の農家や飲食店にドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が店舗スペースを物販用に無償貸し出しする「地域応援de助け合いプロジェクト」の一環で、銀座本館では初の試みとなった。