脳科学者の茂木健一郎氏(57)が、女子児童に向けた“モテテク指南本”の内容に、「即アウトだ」と私見を述べた。

茂木氏は10日、ブログを更新し、ネット上でも物議をかもした「おしゃカワ!ビューティー大じてん」(成美堂出版)の内容に言及。同書では女の子が男の子にモテるためのテクニックを紹介する項目があり、「ジェンダーの役割を、こんなに固定化して、男の子はものを知っていたり、センスが良かったりして、それを女の子はほめる、という構図を受け入れて、推奨している時点でもう完全にアウトだと思う」とした。

続けて「男が女に対して上から目線で教えをたれたりする傾向があることは洋の東西を問わず、『男』(man)が『説明』(exlaining)するという『mansplaining』という単語があるほどだ。しかし、この時代に、それを当たり前だと思って女の子ののびしろを削ってしまったり、男の子が油断して女の子はそういうものだと思わせる、そんな偏見を小学生向けの本で強調することにどんな意味があるのか」と疑問を呈し、「これだけ、いろいろな分野でおっさん多すぎ、と言われている時代に、頭のやわらかい小学校の時代の女の子にそんなステレオタイプを植え付けるなんて、これ以上の罪なことはない」「小学生向けの本で、あんなのは即アウトだ」と批判した。

同書の内容については、虐待や性暴力の被害に遭った10代の女性らを支える一般社団法人「Colabo」の仁藤夢乃代表も5月にツイッターで「男を立てる『さしすせそ』こんなことを小学生に教えるなんて…。男子に見た目を評価されることを当然の前提とし、ピュアさ、聞き・褒め上手がモテのポイントと。オシャレやメイクはモテるために必要なこととすり込み、従順な女子を育てようとする。女子に、自分のことを大切にできなくさせる雑誌だ」と問題提起し、話題となった。