自民党の今井絵理子参院議員は30日、令和元年度決算に関する審議が行われた参院本会議で、手話を交えながら菅義偉首相や麻生太郎財務相に質問した。

参院によると、本会議での手話による質問は今回の今井氏が初めてだという。 黒いスーツ、マスク姿で演壇に立った今井氏。「自由民主党の今井絵理子です」の自己紹介から手話を使い、菅政権で初めての決算審議に臨む菅首相に抱負を尋ねた。少子化問題にも言及し「子どもを産み、育てたいと望むすべての人の声に耳を傾け、寄り添える政府であるべきだ」と述べ、首相の決意をただした。

第2次安倍政権で、内閣府の防災担当の政務官を務めた。当時被災地を訪れた際の経験を踏まえ、障がい者や女性に寄り添った政策が必要だとも、訴えた。

質問は10分間。最後は「本日の質疑で手話に対するご理解をたまわった与野党すべての議員に心から感謝を申し上げたいと思います」と謝意を述べた。

今井氏の長男は先天性難聴で、今井氏は2016年の参院選出馬会見でも手話であいさつした。本会議後、取材に「マスクで口の動きが読めない」という声に応えたものだとし「少しでも国会の審議を丁寧に伝えたかった」と、話した。