13日午後11時7分ごろに発生した福島県沖地震による土砂崩れで一部区間が不通となっていた常磐自動車道を18日、走ってみた。震度6強を観測した福島県相馬市内の新地IC~相馬IC間の側面が崩壊。17日午後6時に全面開通したばかりだ。

記者は昨年までの3年間、東北総局勤務だったため、福島・いわき市方面やJヴィレッジ取材などで、何度も通った道だった。今回は、仙台方面から南下。震度6弱だった宮城県山元町に差しかかると、地震被害の跡が目立ち始めた。瓦が落ちた屋根などには青いブルーシート。古い小屋が半壊している建物もあった。相馬市内に入ると、少し隆起したとみられる道路が数カ所。「この先段差あり」の看板も。大型トラックなどはブレーキを踏んで減速していた。

約70メートルほどの土砂崩れのエリアは、あまりの規模の大きさに驚かされた。斜面上部はブルーシートで覆われ、灰色のアスファルトで固められた部分もあった。道路に近いところには鉄筋で作られた壁や、大きな土のうも積み重ねられ、再発を防いでいる。運転していては感じなかったが、ラジオで余震があったことも知った。まだまだ安心出来ない状況は続いている。

南相馬鹿島サービスエリア内にある「セデッテかしま」も被害に。入り口付近にある野馬追いのモニュメントを含めて建物の損壊はなかったが、販売担当の店員は「箱物はかなり散乱していたが、幸いなことにビンなどは落ちなかった。地震発生時には営業時間外だったのでお客さまがいなかったことも良かった」と振り返った。

東日本大震災からの復興作業なども行う工事車両や、高速バスなど、大型車両も多い。福島浜通りの住民にとっても重要な高速道路が復旧。ようやくライフラインが戻りつつあることを感じた。【鎌田直秀】