卓球界に新たなウイルス対策アイテムが誕生だ! 日刊スポーツでは「パワーアップ2021 上向きニュース21選」と題した企画で、気持ちが高まるパワーアイテム、ワードなどを紹介しています。第6回は、卓球界初の抗ウイルス・抗菌加工を施した卓球台「クレスト25クリーン」。大手卓球メーカーの日本卓球が「安心して卓球を楽しめる環境」をテーマに開発し、21日から発売を開始した。同社担当者は「すでに公共施設などから興味を示していただいています。予算化された後、ご注文をいただけるのでは」と好評だ。

特殊加工技術「メディカルナノコート」が卓球台の秘密だ。通常は台の表面に凹凸があるため、ウイルスや菌が付着しやすいが、粒径10ナノメートル未満の極めて細かいシングルナノ複合粒子でコーティングして付着を防止。「ウイルスへの効果は実証済みですが、コロナに効果があるかは、まだ実証されていないんです」と担当者。だが、すでに同じ素材が、ホテルや高齢者施設のドアノブ、空港で荷物を運ぶカートの持ち手などにも活用され、抗菌効果は重宝されている。

1月の全日本卓球では、コロナ感染予防の観点から、選手が台上で手やラケットを拭く行為が禁止された。同担当者は「卓球台は人が共有するもの。子どもたちはプレー中に顔や口まわりを触ってしまう場合も多い。アスリートも単に汗を拭くためだけでなく、台を触って間を取ったりする意味合いもある。少しでも予防対策になれば」と願う。

卓球は、女子団体が12年ロンドンオリンピック(五輪)、16年リオ五輪で2大会連続のメダルを獲得し、19年にはTリーグが開幕。「地味」「根暗」などのイメージは完全に払拭(ふっしょく)された。もともと競技人口約36万人の人気スポーツ。愛好者は老若男女幅広く、約120万人といわれている。中学校の部活動登録人数もソフトテニス、バスケットボールに次ぐ3位だ。

日本人にとって、学校の授業、スポーツ施設、そして温泉宿の定番。台を挟めばソーシャルディスタンスも保たれる。感染予防対策を十分しつつ、「抗ウイルス卓球台」で気持ちも技術もアップ!【鎌田直秀】