囲碁の最年少プロ、仲邑菫初段(12)が15日、二段昇段を決めた。東京・市ケ谷「日本棋院東京本院」で打たれた「第28期阿含・桐山杯 全日本早碁オープン戦予選B」で松原大成六段(48)を下した。これでデビュー以来、男性棋士も参加する公式棋戦(女流棋戦は除く)での勝利を「30」とし、初段から二段への昇段条件を満たした。

今月2日、仲邑は12歳になったばかり。12歳0カ月での昇段は、趙治勲名誉名人の12歳3カ月を上回って最年少だ。小学生での二段はその趙が1968年(昭43)10月に達成して以来、52年5カ月ぶりとなる。

仲邑は10歳でデビュー以来、約2年かけて勝ち星を積み上げた。主な女流棋士の中では謝依旻六段の9カ月、上野愛咲美女流棋聖の1年9カ月にこそ及ばないが、藤沢里菜女流本因坊の3年6カ月よりは早い。

2002年(平14)度までの旧制度では、井山裕太棋聖と鈴木歩七段の5カ月、趙の6カ月というスピード記録がある。

「彼女にとっては、頂点を目指すための第1関門を通過したようなもの。まだまだ伸びる。近い将来、女流棋戦のタイトル戦に出てくる」と、ナショナルチームを率いる高尾紳路九段は期待する。また、上野女流棋聖の師匠で、藤沢本因坊の父でもある藤沢一就八段は、「1~2年したら、上野の妹(上野梨紗初段)とともにタイトル争いに絡んでくるだけの力の持ち主」と分析する。

日本の囲碁界を担う次世代のホープが、文字通り台頭する。