横浜の政財界に影響力を持ち、「ハマのドン」と呼ばれる藤木幸夫横浜港ハーバーリゾート協会会長(90)が19日、同協会の全体集会に出席し、横浜港山下ふ頭へのIR(カジノを含む統合型リゾート施設)誘致に改めて反対を表明し、8月22日投票の横浜市長選に向け「今日から政治的に動きます」と宣言した。

横浜へのIR誘致は、トランプ前大統領とその有力後援企業のカジノ運営大手ラスベガス・サンズの意を受けて日本側が動いたとされ、横浜市の林文子市長(74)は19年8月、それまでの白紙から一転して誘致を表明した。林氏の背後に秋田出身で神奈川2区選出の菅義偉首相がいるとみる藤木氏は「あの人は旅人なんだよ。村人は村のことに責任を持つけど、旅人は旅人なんです。横浜について余計なことを言うなということです」と切って捨てた。

横浜市長選は、IR誘致問題が最大の争点になる。林氏は進退を明かしていないが、自民党では参院神奈川選挙区選出で菅氏に近い三原じゅん子厚労副大臣(56)らの名前も取りざたされている。藤木氏は「自民党は1人1人はいつもいいこと言うけれど、一緒になるとドブみたいな臭いがする結論を持ってくる。言わされているんだな。バッジをつけると終わり。それで満足なんです。三原じゅん子なんか(市長選に)出てきたらまずいよ」と語り、三原氏も切って捨てた。

秋までには衆院選も行われる。藤木氏は「神奈川から出る人、横浜から出る人で、カジノ賛成だなんて人は殺したいよ(笑い)」とジョーク交じりにけん制した。