趣味は「広島東洋カープ」と公言する岸田文雄首相(64)に、カープファンも期待を寄せた。ファンが日本一集まる店として知られる東京・神田で最古の広島お好み焼き店「Big-Pig神田カープ本店」で、野球中継をテレビ観戦する広島県人らも、第100代新首相誕生を喜んだ。

緊急事態宣言が明けたばかりの2日の店内では、7回の攻撃前に球団公式応援歌「それ行けカープ」が店内に流れるなど、メガホンや拍手の音が鳴り響いた。「最高で-す!!」のタオルを掲げた大谷隆志さん(45)は「岸田さんに『それ行けカープリレー』で歌ってほしい」。球団が作成する数多くの著名人でつなぐ歌のリレーが恒例で人気だ。21年はタレント谷原章介やお笑いコンビのアンガールズらが参加しているが、22年バージョンへの岸田氏出演を提案した。竹田雅弘さん(58)は「日本のFA(フリーエージェント)制度を変えて欲しい。巨人が良い選手をみんな持っていかないように、チームの年俸総額上限も設けて」。国政だけでなく、球界への“介入”要求まで飛び出した。

ファンも2シーズン、コロナ禍の影響により球場で大声応援が出来ない苦しさも抱えている。北野真範さん(55)は「菅さんには『こうなれば通常通りの生活がOK』とか『応援したり飲んでも良い』というものがなかった。岸田さんには『飲み薬が出来るまで』とか国民が目指せるところを示して」と熱望した。

店にはミスター赤ヘル山本浩二氏や、炎のストッパー故津田恒実氏のユニホームなど、お宝グッズが盛りだくさん。同店の竹内宏和広報担当(48)は4日、「飲食店に寄り添った援助、補てんを行ってほしい」。自民党総裁選当日、岸田家の夕食が広島お好み焼きだったことがニュースになったように「広島愛でいろいろな発信をしていただきたい」と願った。

球界でもBクラス続きでは監督にブーイングが浴びせられる。政界でも求められるのは結果。“岸田監督”は支持を得ることができるか。手腕が問われるのはこれからだ。【鎌田直秀】