第49回衆院選は19日公示され、大阪5区から無所属で立候補した学校法人「森友学園」の籠池泰典前理事長の妻諄子氏(64)がJR塚本駅前で第一声を上げた。

午前10時、オレンジのスニーカーに半袖姿でマイクを握った諄子氏は「この4年間のいろんな出来事で、育てていただき感謝しかありません。もうこれで人生が終わるかなと思ったこともあった。(立候補で)また新たな道が歩める。こんな幸せな人生はありませんよね」としみじみと話し、「いまの政治をいかに思われていますか? みなさん、それぞれに、いろんな思いをして腹立たしい思いをしている方がたくさんいるはず」と訴えた。

籠池夫妻は国から補助金をだまし取ったとして詐欺罪などで1審有罪判決を受け、控訴中。1審判決について「詐欺をしたという証拠の証言は1つもない」と不満を示し、「こういうことがまかり通っていいのでしょうか?」と聴衆に訴え、もう1度「いいのでしょうか?」と呼び掛けると、横にいた泰典氏が「ダメ!」と反応した。「お父さんだけがダメって言ってくれます」と声を震わせた。

諄子氏は森友学園元職員で、大阪5区内の大阪市淀川区出身。詐欺容疑で逮捕された後に長期間勾留されたとして「人質司法を変えたい」と司法制度改革を訴え、森友学園問題の再調査を掲げた。

約10分間、マイクを握った諄子氏は消費税ゼロ、学校教育の自由化なども訴えた。

“応援弁士”として登場した泰典氏は森友学園が設立を目指した「瑞穂の国記念小学院」について「安倍晋三さんにも瑞穂の国記念小学院に大いに力を貸していただいた。最後の最後になって、ご自身の保身のために、籠池夫婦を手のひら返しで捨て去った」と話し、「このとき、思った。『ああ、これは日本国民にも同じことがされるだろうな』と。まだまだ森友事件の闇は深い」と主張した。

出陣式後、取材に応じた泰典氏は恒例の一句を披露した。

天高く 第一声ぞ 回天する

泰典氏は「回天とは動乱の状態から物事が動いていくということです。世の中を大きく変える変革の選挙戦になればいいなと思っています」と説明した。

同区の候補者は、公明党現職の国重徹氏(46)と共産党元職の宮本岳志氏(61)、れいわ新選組新人の大石晃子氏(44)。