国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の、ZOZO創業者でスタートトゥデイ社長の前澤友作氏(46)が15日、自身のYouTubeチャンネルに新動画をアップした。その中で、ISSに持ち込んだ、漫画家・小山宙哉氏の人気漫画「宇宙兄弟」第27巻の素晴らしさを紹介し、涙した。

前澤氏は「宇宙に、ある本を持ってきたんでね。本当に、宇宙好きにとって欠かせないバイブル、持ってきました。本当は40巻、持ってきて、ここで全部読みたかったんですけど、そんなに持ってこられないんで1冊…選んだのは27巻です」と言い「宇宙兄弟」第27巻を取り出した。

第27巻は、父を死に追いやった筋萎縮性側索硬化症と戦うために医師になり、無重力空間で薬の研究が出来るISS行きを希望した宇宙飛行士の伊東せりかが、ISS行きを実現したエピソードが書かれている。まさに、物語の舞台に“聖地巡礼”を果たした前澤氏は「ISSに来させて頂いている僕の立場からしても、すごく印象的で、ISSで読みたいと思って持ってきました」と第27巻を持ってきた理由を語った。

前澤氏は語っているうちに、目を真っ赤にして涙した。「思い出すだけで泣けるわ…本当に泣ける。親が読み聞かせてあげてもいいくらい、子供にも読んで欲しい。ダメだ…こらえきれなかった」と言い、目を何度も拭った。

それでも、涙が止まると、いつもの笑顔が戻り「宇宙を漂う宇宙兄弟」と題して「宇宙兄弟」第27巻を無重力空間の中に浮かべて見せた。

前澤氏は、8日午後12時38分(日本時間同4時38分)にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられたロシアの宇宙船ソユーズに乗って、約6時間後の同6時48分(同10時48分)にISSへのドッキングに成功。8日午後9時11分(日本時間9日午前1時11分)にISSと繋がったハッチが開けられ、関連会社役員の平野陽三氏(36)とともに入り、初めてISSに滞在する日本人の民間人となった。日本人の商業宇宙飛行は、90年の元TBS記者秋山豊寛氏以来31年ぶり2人目となる。

9日午後9時33分(日本時間)には、オレンジ色のTシャツに紺の短パンを履いた前澤氏は、無重力の中であぐらをかくと「宇宙なう」と初ツイート。打ち上げから29時間後の初ツイートとなったが、髪の色もオレンジ色で、オレンジを基調とした出で立ちからも「宇宙兄弟」の主人公の1人でJAXAの宇宙飛行士・南波日々人を意識しているのではないかと、ツイッター上で話題を呼んでいた。