本因坊文裕(井山裕太本因坊=32)への挑戦権を争う囲碁の第77期本因坊戦プレーオフ、一力遼棋聖(24)対余正麒八段(26)戦が4日、東京都千代田区「日本棋院東京本院」で打たれた。午前10時に始まった対局は、午後8時46分、210手までで白番(後手)の一力が中押し勝ち。初の挑戦権を獲得した。余の十段戦に続く挑戦権獲得はならなかった。

リーグの直接対決(昨年12月)では一力が敗れていた。3月31日の挑戦者決定リーグ最終戦一斉対局で、6戦全勝で単独トップを走っていた余が芝野虎丸九段(22)に敗退。5勝1敗の一力は佐田篤史七段(26)に勝って同星に追いつき、プレーオフへと持ち込んで競り落とした。「1敗したから、苦しいかと思っていました。チャンスをものにできて良かった」と喜びをかみしめた。

昨年8~11月の名人戦、今年1~3月の棋聖戦に続き、大三冠と呼ばれる囲碁のタイトル戦に3回連続で出場となる。タイトル保持者と挑戦者がまったく同じ顔触れというのは、現行の2日制7番勝負では、囲碁界史上初めてとなる。

名人戦は4勝3敗で井山が防衛。棋聖戦は一力が4勝3敗で奪取し、初の棋聖を獲得している。「経験を生かして、いい状態で臨みたいです」。

3度目の対決は、井山が本因坊戦11連覇を達成するか? 棋聖戦で井山のV10を阻止した一力が、本因坊戦初登場で2冠となるか? 激戦必至の7番勝負第1局は5月10、11日の2日制で、石川県金沢市「金渓閣」で行われる。