ウクライナを侵攻して24日で3カ月になるロシアのプーチン大統領を巡り、2カ月前に暗殺未遂事件が起きていたとウクライナのメディアが報じた。ウクライナ国防省の情報局を率いるキリロ・ブダノフ准将が、失敗したもののプーチン大統領に対する暗殺計画があったと述べているもので、「公表されていないが、実際にあった」と主張している。英サン紙は、暗殺を恐れて疑心暗鬼になっているプーチン大統領は、毒殺を恐れて食事や飲み物の毒見を担当するチームを雇っていると伝えている。

ブダノフ准将は先日も、英スカイニュースのインタビューでプーチン大統領を追放するクーデターが進行中だと語り、ロシアの敗北を楽観視していると述べていた。具体的な詳細については明かしていないが、指導者の交代につながるとの認識を示し、「止めることは不可能だ」と語っていた。ロシア軍はウクライナ南東部の要衝マリウポリを制圧したが、東部では苦戦を強いられ、ウクライナ第2の都市ハリコフ周辺から撤退を余儀なくされている。また、ロシアのベテラン外交官が自国のウクライナ侵攻に抗議して辞任を発表したと複数のメディアが報じており、政権内部の異変も取りざたされている。

プーチン大統領の暗殺未遂を巡っては、2017年に米ケーブルテレビ局で放送されたドキュメンタリー「プーチン・インタビュー」の中で米国のオリバー・ストーン監督が「5回の暗殺未遂があったと聞いているが」と質問して話題になったことがある。そんなプーチン大統領は、血液のがんやパーキンソン病などを患っているとうわさされ、重病説も取りざたされている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)