参院選(7月10日投開票)は26日、公示(22日)からファーストサンデーを迎え、与野党党首、大物幹部らが大都市圏の激戦区を中心に支持を訴えた。自民党の岸田文雄首相(自民党総裁)は先進7カ国首脳会議(G7サミット)出席のためドイツに出発。自民党の茂木敏充幹事長は、岸田氏が前日演説した東京・吉祥寺駅前でマイクを握り、立憲民主党など野党が主張する消費税減税について「選挙になると年中行事のように引き下げに言及する。非現実的だ」などと批判し、自民への支持を呼びかけた。

岸田首相は26日から28日までドイツで開催されるG7に出席し、29日から30日までスペインで開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に日本の首相として初めて出席する予定だ。現職の首相が国政選挙期間中に5日間も日本を不在にするのは異例。国政選挙中の首相の外遊は2010年の参院選中にカナダで主要国首脳会議に出席した菅直人氏以来となる。

茂木氏は首相不在について「主要国が、そして国際社会が一致して、ロシアに対して侵略をやめさせる、ウクライナの国を、家族を守ろうと戦っているウクライナの人たちを全面的に支えていく。こういったメッセージをしっかりと送っていきたい」などとフォローした。一方、党内には「選挙はちょっとしたことで流れが変わる。油断や緩慢と受け取られかねない」と、選挙中の首相外遊を懸念するベテラン議員もいる。

立民の泉健太代表は、埼玉・浦和駅前で遊説。低所得者ほど負担が重い消費税について「時限的な引き下げは、まっとうな経済政策だ」などと訴えた。来年度予算案、補正予算案でも与党案に賛成した国民民主党の玉木雄一郎代表は「とにかく実現する、実践する。そのことに全力を傾ける政治をもう1回、取り戻したい。改革中道ど真ん中、行きたい」とした。れいわ新選組の山本太郎氏は渋谷駅ハチ公前広場で大規模イベントを開き「消費税は廃止。ぜひやらせていただきたい」と支持を呼びかけた。 共産党の志位和夫委員長は、京都、兵庫、大阪で有権者へ支持を訴えた。激戦区の京都選挙区では、共産党が結党100年の節目を迎えることに触れ「戦前、戦後を1つの名前で通してきた政党は日本の中で共産党しかない」と強調した。社民党の福島瑞穂党首(66)は、JR蒲田駅西口前で街頭演説を行い「比例で120万票を取れなければ1人の当選も出来ません。政党要件を失います。なんとか国会の中で踏ん張りたい」と訴えた。

公明党、日本維新の会、NHK党も支持拡大を図った。