米動画配信大手ネットフリックスで年内に配信がスタートする予定だった英国のヘンリー王子(38)とメーガン妃(41)夫妻のドキュメンタリーが、来年末まで公開が延期されたことが分かった。

英OK!誌など複数のメディアが伝えている。ネットフリックスは当初、11月9日に新シリーズが配信される英王室を描いたドラマ「ザ・クラウン」のシーズン5の公開に合わせ、夫妻のドキュメンタリーを12月に配信する意向を示していた。

報道によると、延期の理由は「ザ・クラウン」の新シリーズにチャールズ国王とジョン・メージャー元英首相に関するネガティブなストーリーが含まれていることを知ったメージャー氏が、「悪意のあるナンセンスなシーンだ」と憤慨していることだいう。

この発言を受けて新シリーズへの批判が殺到しており、同様にチャールズ国王夫妻ら王室メンバーを批判する内容であるとされる夫妻のドキュメンタリーが「ザ・クラウン」の直後に公開されるのはタイミング的によくないとの判断に至ったと伝えている。

ちなみにメージャー氏が問題視したのは、1991年に英サンデー・タイムズ紙が実施した世論調査で「高齢で在位が長くなったエリザベス女王はチャールズ皇太子(当時)に王位を譲るべきだ」との結果が出たことに同意した皇太子が、当時首相だったメージャー氏との会談でそれについて不満をぶつけるというシーンだという。

「ザ・クラウン」のシーズン5を巡ってはエリザベス女王が先月9日に死去した直後の新シリーズで、女王の夫だったフィリップ殿下の不倫疑惑が描かれていることも発覚して物議を醸したばかり。ドラマは可能な限り史実に基づいた内容にするよう心がけているが、物語が現代に近づくにつれてそのバランスを取るのが難しくなっていると関係者が英サン紙に現場での苦悩も明かしている。

ヘンリー王子夫妻は、女王の死去を受けてチャールズ国王が即位したことから国王やカミラ王妃に対する批判的な内容を修正するためドキュメンタリーの公開延期を求めていることが伝えられていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)