囲碁の若手限定タイトル戦、「第17回広島アルミ杯・若鯉戦」は、27日午後2時から小池芳弘七段(24)対上野愛咲美若鯉杯(21)の決勝戦が行われた。

対局は、白番(後手)の上野が得意の「ハンマー」をさく裂させて中押し勝ち。黒番で4年前のこのタイトル戦準優勝、3年前の新人王戦準優勝の小池を粉砕し、史上初の連覇を達成した。これで2年前の藤沢里菜女流本因坊(24)から3年連続で、女流棋士が制した。

このタイトル戦は2006年(平18)、30歳以下で七段以下の若手の対局機会を増やすために創設された。最初の優勝は謝依旻三段(段位は当時)。当初は非公式戦だったが、11年の第6回から公式戦となった。のべ2回の優勝例は第4回と第6回の内田修平、第5回と第10回の寺山怜、第8回と第11回の一力遼と、3例ある。

上野は、16日に新型コロナウイルスの感染が確認された。「悲しかったですが、詰め碁をたくさん解いてきた」という。このタイトル戦で初めての連覇は意識しており、「狙っていました。自分が達成できたのはうれしい。今回は妹(初めて本戦入りした上野梨紗二段)とカレンダーを作って。あと何日と書き込んでいたりした」と話した。

優勝賞金の300万円で、「広島アルミさんの鍋を親にプレゼントしたい」と笑っていた。