東京・渋谷のスクランブル交差点では、家路を急ぐ人たちと入れ替わるかのようにサポーターたちが午後5時すぎから集まり始めた。タオルを首に巻いたり、お気に入りの選手の背番号の入ったサムライブルーのユニホーム姿などで詰めかけた。

初戦のドイツ戦は23日の日本時間午後10時のキックオフ。今回は、日曜日午後7時からのキックオフに加え、決勝トーナメント進出がかかる大一番とあって、初戦にもまして注目度は高く、群集の輪も次第に大きくなった。

警視庁では23日のドイツ戦をはるかに上回る数の群衆を想定した。試合開始直前からスクランブル交差点の周辺に、警察関係の車両が続々と集結。「君が代」が流れている間も着々と準備を進めていた。

韓国で起こった雑踏事故が繰り返されないように警備の人数を増やしたり、「DJポリス」も投入するなど、対応を強化した。事故がないよう、笛を鳴らして横断歩道から車道に出ないよう注意したり、走ったりしないよう、歩行者に呼びかけたりしていた。

W杯優勝4回を誇る強豪のドイツからの歴史的な逆転勝利にわいた初戦は、最寄りの渋谷駅発の最終電車直前となる午前0時すぎに、試合が終わった。試合後は同所で「ニッポンコール」を繰り返す若者らで盛り上がっていたが、「DJポリス」のアナウンスだけでなく、信号が変わる度に警察官が黄色いテープで適切に群集を誘導したため、大きな混乱はなかった。

今回も電車やバスの乗降客などの妨げにならないよう、配慮していた。【赤塚辰浩】