岸田文雄首相は、1月の欧米5カ国歴訪に同行した長男の翔太郎首相秘書官が現地で公用車を使って岸田氏が閣僚に配るプライベートな土産を購入したことを「公務」としたこと巡り、野党から追及が続く。

1日の衆院予算委員会では立憲民主党の大西健介氏から「閣僚のみなさんはプライベートを理由にしてお土産の中身は明かさなかったが、アルマーニのネクタイがあったという報道があるが事実か」と質疑を受けた。岸田氏は「お土産の中身を明らかにすることは控えている。ポケットマネーの範囲内で常識の範囲内でお土産を用意した」と、前日同様に公費ではないことを強調した。

外務省出身の大西氏は「翔太郎氏しか、できない仕事は何だったのか。長男を同行させなければならなかった理由は何なのか。それこそ箔(はく)を付けるためとか、将来、跡を継がせるための経験のためだとすれば、公私混同と言われても仕方がない」と批判した。これについて岸田氏は「内閣として総理大臣を海外に送り出す際にどういった支援態勢を組むのか、そういった観点から人選が行われている」などとするにとどめた。

大西氏から「国民からは閣僚にはお土産、国民には増税という厳しい声が上がっている」との指摘に、岸田氏は「さまざまな指摘については、しっかり重く受け止め、今後、適切に対応しなければいけない」とした。翔太郎氏は今回の歴訪中に公用車で観光したと報じられ、外務省は公報資料用の写真撮影などと否定している。