各地で相次いだ広域強盗関連事件で、「ルフィ」などと名乗り指示した疑いのある日本人4容疑者のうち、フィリピンの首都マニラの入管施設に残っていた渡辺優樹(38)、小島智信(45)両容疑者を乗せた航空機が9日午前4時45分ごろ、羽田空港(東京都大田区)に到着した。今村磨人(38)、藤田聖也(38)両容疑者も7日に強制送還、逮捕されており、4人全員の移送が完了した。

航空機は日本時間午前0時すぎ、ニノイ・アキノ国際空港を出発。渡辺、小島両容疑者は午前2時20分ごろ、移送中の機内で別の特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑で逮捕された。機内では、一般乗客と距離を置くため、最後尾の中央座席に小島容疑者が、その前に渡辺容疑者が捜査員に囲まれて座ったという。

羽田空港に到着後、両容疑者は午前5時20分ごろ、捜査員らに囲まれながら、待ち構えた約110人の報道陣の前に姿を見せた。グループのリーダー格とみられる渡辺容疑者は、黒のパーカのフードをかぶり、黒のズボン、白のサンダルにマスクを着用していた。報道陣の「ルフィなのですか?」といった声かけにも応じることなく通り過ぎた。小島容疑者は胸元に「1977」とプリントされたモスグリーン色の半袖Tシャツに黒のズボン、茶色のサンダル、マスクを着用し、特徴的な髪形だった。報道陣からの呼びかけには応じず、無言で立ち去った。

入国審査を終えた両容疑者は、別々の車に乗せられ、渋谷署に移送された。後部座席の真ん中に座った渡辺容疑者は、黒いパーカのフードをかぶったまま下を向いていた。小島容疑者は目を閉じた様子だった。