藤井聡太叡王(竜王・王位・棋王・王将・棋聖=20)に菅井竜也八段が挑戦する将棋の第8期叡王戦5番勝負第4局が28日、岩手県宮古市「浄土ケ浜パークホテル」で行われ、藤井が2度の千日手指し直しの激戦の末、勝利した。

藤井はシリーズの対戦成績を3勝1敗とし、3連覇を達成し、6冠を堅持した。菅井は得意の振り飛車を駆使したが、17年の王位獲得以来、2期目のタイトル獲得はならなかった。

この日、3度目の対局となった2度目の千日手指し直し局。菅井は第1局から指し直し局も含め、6回連続して三間飛車を採用した。お互いが穴熊でがっちりと守りを固め、開戦となったが、中盤戦にじりじりとリードを広げられ、終盤の激しい攻め合いを制することができなかった。

終局後、菅井は攻め合いについて「後手4七桂(62手目)、先手4八金(63手目)、後手5六歩(64手目)と歩とつながれると、うっかりしていた。終わってからどうしようもないかな」と悔しそうに振り返った。

6連続の三間飛車について「ちょっと作戦に困ったところがありますね」と素直な心情を吐露した。

菅井は18年の王位戦以来のタイトル戦。その前の年には王位戦に初挑戦し、羽生善治王位(当時)からタイトルを奪取している。シリーズを振り返り「結果がまったくついてこなかった。残念な結果になってしまった」と話した。