東武鉄道が33年ぶりに投入する新型特急「スペーシアX」が15日、営業運転を開始した。同社の沿線の重要な観光拠点である栃木県の日光・鬼怒川地区と都内を結ぶ看板車両だ。その出発式が東京都台東区にある東武浅草駅で行われた。
スペーシアXは6両編成で、定員212人。浅草に代表される江戸文化や、日光東照宮の建築様式が車両のあちこちに込められている。車体の白は、陽明門に塗られた「胡粉(ごふん)」に着想した。日の当たり方により色味が違う。窓枠には江戸の竹編み細工、鹿沼組子といった伝統工芸品を連想させる。1号車と6号車のデッキ部分に天窓表示器を設置。42インチのガラスサイネージを使い、日光や鬼怒川の自然を連想させる映像を流す。「新たな時代の日光観光の象徴」とした。
多彩な座席パターンがあり、浅草寄りの6号車は運転台が見えるコックピットスイート7席、コンパートメント(個室、全部で定員16人)で構成。日光寄り1号車は同じく運転席が見えるコックピットラウンジ(同20人)とした。2号車がプレミアムシート(同35人)、3~5号車がスタンダードシート(5号車同16人、3・4号車各56人)。5号車には、ボックスシート(同4人)と、車いす移乗用座席2席も設けられている。家族、グループ、カップルなど、さまざまな客層が用途に合わせて使える。
スペーシアXの「X」には、体験を意味する英語「Experience」、「Excellent、Exciting」などのさまざまな価値、文化と人々が交わって縁を作る「Cross=X」、未知の可能性を表す「X」といった意味が込められている。
先月就任したばかりの東武鉄道の都筑豊社長(62)は、「期待している車両。アフターコロナの観光のコンテンツの1つとして、沿線の魅力を楽しむ移動手段としていただきたい」と話した。
浅草と東武日光・鬼怒川温泉間を毎日2往復運行。このほか、木・金・土・日・祝日はこれに往復2本が加わる。コックピットスイート(1室、定員7人)は1万2180円、コンパートメント(同4人)6040円、ボックスシート(同2人)400円、コックピットラウンジ1人用200円、2人用400円、4人用800円の特別座席料金が必要。スタンダードシートとプレミアムシートは乗車区間により変動する。これに別途運賃が必要となる。

