任期満了に伴う岩手県知事選が17日、告示される。野党各党の支援を受け5選を目指す現職の達増拓也氏(59)と、自民、公明両党が支援する元県議の新人、千葉絢子氏(45)が立候補を予定。事実上の与野党一騎打ちの構図になるとみられる戦いは、地元だけでなく永田町でも大きな注目を集めている。
岩手は、立憲民主党の小沢一郎衆院議員(81)の地盤。小沢氏と近く、長年行動をともにしてきた達増氏の勝敗は、昨今揺らぎも生じている「小沢王国」の今後を左右するからだ。
小沢氏は選挙戦の前から積極的に地元に入り、達増氏への支援を訴えている。立民内に新たなグループ「一清会」を立ち上げ、「野党候補の一本化で政権交代を実現する有志の会」で現執行部の候補者擁立方針をけん制するなど、久しぶりに表舞台で動く機会が増えている小沢氏だが、地元での影響力には陰りもみられる。
2021年衆院選では、これまで無敗だった小選挙区で敗れ、初めて比例復活。昨年の参院選岩手選挙区では、自身に近い現職が自民新人の広瀬めぐみ氏(57)に敗れ、参院岩手選挙区で30年ぶりに自民党に議席を奪われた。
国政選挙で自民の攻勢を許した経緯があるだけに「達増氏は最後の砦(とりで)。絶対に負けられない戦いになる」(野党関係者)の声もある。
一方の千葉氏は、岩手めんこいテレビの女子アナウンサー出身で、在局中には報道番組のキャスターなどを担当。15年に退社し、同年の岩手県議選(盛岡選挙区)でトップ当選。2期目だった昨年末、自民党県連などの打診を受け、知事選出馬を表明し、活動を続けてきた。
ただここにきて、自民党の支援は「マイナス要素」(地元関係者)との声も出てきた。マイナ保健証問題など岸田政権の政策の迷走に加え、千葉氏の活動を支援してきた広瀬氏が、「観光旅行」批判が今も消えない自民党女性局のフランス研修に参加し、料理の写真などをSNSに投稿(その後削除)し、大きな批判を招いたばかりのタイミングだからだ。女性局フランス研修問題の知事選への影響は避けられず、広瀬氏の支援は「マイナス要素」(地元関係者)との声もくすぶっている。
「小沢王国」が踏みとどまるのか、再び自民が「王国」に攻勢をかけるのか。知事選の投開票は9月3日。【中山知子】
◆岩手県知事選立候補予定者(50音順)
◆達増 拓也(59)無現 元衆院議員(4期)、元外務相課長補佐
◆千葉 絢子(45)無新 元県議、元アナウンサー

