東京・神宮外苑再開発をめぐり、樹木の伐採や計画の見直しを求めている市民グループが4日、東京都庁で会見し、グループの訴えに対して作家や女優、文化人など78人から賛同を得たことを明らかにした。
会見したのは「神宮外苑と国立競技場を未来へ手わたす会」でともに共同代表を務めるの建築家、大橋智子氏と、作家の森まゆみ氏。同グループは国立競技場の建て替えが問題になり始めた約10年前から、活動を続けている。
大橋氏と森氏によると、賛同の姿勢を表明したのは、歌手の加藤登紀子、作家の浅田次郎氏や落合恵子さん、椎名誠氏、沢地久枝さんのほか、女優の秋吉久美子や参院議員も務めた俳優中村敦夫、クリエーターのいとうせいこう氏ら。秋吉は「神宮外苑は季節を織りなす人生の一部です」とメッセージを寄せ、浅田氏は、連載を続けている航空会社の機内誌の8月号の内容に触れ「最近の執筆に『東京の緑』があります」と伝えてきたという。森氏は、賛同人からは声をかけるとすぐに、賛同の返信があったとし「皆さんが、心配している。ギリギリの所なので」と語った。
再開発にはこれまでさまざまな市民グループや、日本イコモス国内委員会が計画の見直しなどを求めているが、工事はすでに始まっており、事業者側は今後、新たな樹木の伐採や移植に踏み切る見通し。
再開発をめぐっては、3月に亡くなった音楽家の坂本龍一さんや、作家の村上春樹氏も、反対の姿勢を表明している。また、2日には、サザンオールスターズ桑田佳祐が自身のラジオ番組で、再開発を憂う内容の思いを歌詞にした新曲「Relay~杜の詩」をオンエアし、歌詞に込めた思いを語るなど、著名人からの発信が続いている。
大橋氏は、桑田の歌詞に触れながら「桑田さんは(神宮外苑に近い)ビクタースタジオで45年、録音をされてきた。(ラジオでの発言は)坂本さんのメッセージを受け止めたのだろうと思う」とした上で「これだけ多くの方が声を上げてくださっている。是非、小池さんには考えを変えて欲しい」と、小池百合子知事に対しても再開発について再考するよう求めた。都側が保全するとしているイチョウ並木の一部が、枯れ始めているとして「小池さんに、現地に行って見てほしい」と訴えた。また「桑田さんの歌もそうだが(現状の計画に)正当性があると思う人は少ないのではないか」などと、訴えた。【中山知子】

