異例の長時間「引き延ばし演説」に-。衆院予算委員会の小野寺五典委員長(自民党)が2月29日の理事会で、2024年度予算案を1日に採決する日程を職権で強行的に決めたことに反発した立憲民主党が提出した小野寺氏への解任決議案を審議する衆院本会議が、午後1時10分に開会した。趣旨弁明に立った立民の山井和則衆院議員は午後4時10分まで約3時間、弁明を続ける「引き延ばし戦術」を慣行。これまでの衆院の最長記録だった立民の枝野幸男氏の2時間43分(2018年7月20日)を超え、最高の「珍記録」となった。

「先延ばし」ともいえる長時間の演説は国会戦術の1つで、「フィリバスター」と呼ばれる。山井氏は本会議場での弁明前、白の大きなバッグを持ち込んでどかっと演壇に置き、中から大量の資料やファイルを取り出し山積みに。その中から資料を選び出し、自民党の「裏金議員リスト」を取り上げ1人1人の状況を読み上げたり、自身の留学時代の話題など裏金事件とは直接関係ない話も繰り出し、時間を稼いだ。

採決に至る予算委員会での審議は通常80時間だが、今回はまだ69時間だとして「80時間審議して円満に採決する、当たり前の採決がどうして自民党はできないのか」「たかが(不足分の)11時間、されど11時間だ」と述べ、委員会や本会議採決は週明けの4日に行うよう延々と訴えた。

予算案は憲法の規定で、参院送付後30日で自然成立する。2日までに参院に送付すれば、23年度内の成立が確実となるため、政府与党は2日までの参院送付方針を崩していない。

山井氏は、2日が土曜日で卒業式が行われるケースもあるとして「大切な卒業式に出る都合を立てている方は多いと思う。明日の審議とか採決はさすがにやめませんか。国会職員や衛視の皆さん、マスコミの方々も大変だ。子どもの卒業式には出たいと思っている方は多いと思いますよ」などと主張した。

また2月29日の岸田文雄首相の政治倫理審査会(政倫審)出席後に、予算案審議をめぐる与党側の態度が急変したとして、強行方針の背景には年度内の24年度予算案採決を確実にしたい首相の意向があると主張。「自民党の国対はそんなことは考えていない。岸田総理が無理を言っていることは分かっている。政倫審に出るとおっしゃったところから話がややこしくなっている」と主張を続け「世の中、円満がいちばんだ。政策では闘うが合意するところは合意する」とし、最後まで4日の採決を訴えた。弁明後は、演壇の上に並べた大量の資料を再びバッグに戻して自席に戻った。

山井氏の趣旨弁明に「根拠がない」とした自民党の反対討論は、約6~7分。小野寺氏への解任決議案は午後5時ごろ、与党などの反対多数で、あっさり否決された。