将棋の藤井聡太棋王(竜王・名人・王位・王座・王将・棋聖=22)に増田康宏八段(27)が挑戦する第50期棋王戦コナミグループ杯5番勝負第2局が22日、金沢市の北國新聞会館で行われ、後手の藤井が増田を下し、3連覇へあと1勝に迫った。これで藤井はタイトル戦通算勝数が99勝となり、大台の100勝に王手をかけた。タイトル戦初登場の増田はかど番に追い込まれた。第3局は、3月2日に新潟市の「新潟グランドホテル」で行われる。

本紙「ひふみんアイ」でおなじみ、加藤一二三・九段(85)が対局を振り返ります。

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多少てこずりましたが、藤井棋王が安全運転の安全勝ちで連勝しました。将棋には、「終盤は駒の損得よりもスピード」という格言があります。今局は数々の史上最年少記録を樹立する超スピード出世の棋士が、優勢になってからスピードを落としてでもリードを確実に保つ戦いぶりでした。

終盤にさしかかった局面で、馬と飛車の両取りをかけられました。馬を引いて飛車を差し出しながら、目障りだった相手の攻撃の足掛かりとなる歩と桂を取りました。この後も正解手で受け切りました。

終盤、3枚の桂で玉を囲っていました。防御能力の低い駒ですが、うまく守っています。今年に入って、「面白い将棋をお見せしたい」とよく口にしていますが、今回もそんな藤井将棋が堪能できたと思います。

一方、増田八段のあきらめない姿勢には感服いたしました。飛車を5筋に回した後、金が5筋から4筋に回って飛車を通し、藤井棋王の隙を突いています。敗れたとはいえ、簡単に土俵を割らない粘りに、名人戦の挑戦権を争うA級在籍棋士のプライドと実力を垣間見た気がします。若手には見習ってほしいです。

5番勝負の短期決戦、流れは連勝した藤井棋王が断然有利ですが、増田八段の指し回しにも大いに期待しています。(加藤一二三・九段)