元自民党衆院議員で実業家の杉村太蔵氏と、弁護士の萩谷麻衣子氏が19日、ともに水曜コメンテーターを務めるテレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」(月~金曜午前10時25分)で、石破茂首相による新人議員への商品券配布問題について、異なる見解を激しく戦わせる場面があった。
番組では、国民の厳しい批判などの声をまじえて、商品券問題を伝えた。杉村氏は、国会議員に靴券や図書券をもらった経験があると認め、自身が今回のように公邸での食事会に出席した際には、「おみやげ」はなかったと振り返る一方で、今回大きな焦点になっている、政治活動か否か、という観点について言及。
「政治活動か私的活動かというのは、『私』による判断。それは、政治活動の自由があるから。ちょっと、そこが誤解をされているケースがあるのではないか」と持論を展開。首相への強い批判は「僕からすると、過剰反応ではないか」と私見を口にした。
これに対し、萩生弁護士は「これが違法性がない、と断定してしまう石破さんの政治的感覚を疑うものがある。私は政治資金規正法に違反するということが、かなり、あるんじゃないかと思う」と弁護士としての見解を表明。
「公邸に国会議員を呼んで、政策の話をしましたという新人議員もいる。それが政治活動ではないのか、というのは、国民が聞いたら納得なんか全然できない」として、政治資金規正法の趣旨を踏まえて「これが政治活動ではない、私的な活動だから10万円の金品を配るのは何の問題もありませんというのは、政治資金規正法の脱法行為を認めるようなことになると思う」と述べ、杉村氏とは異なる見解を示した。
これに杉村氏は「石破さんが、あなたの政治活動を実現するために10万円を使ってくださいと言ったら、受けた側は収支報告書に記載しなければならないが、社長が新入社員に私的に配る(ようなもの)。長く、党風というか、自民党には新人議員にお祝いのようなものを贈るものが文化としてあったのではないかと思う」と主張。靴券や図書券以外に、自民重鎮だった与謝野馨氏から、新人議員との勉強会で書籍を10冊を受け取った経験があるとして、そうしたやりとりは自民党の「文化」ではないかとの主張を展開した。
しかし、萩谷氏は「政治資金規正法は物品ではなく、金品を贈ることを規制している。本の話ではなく商品券は金品でしかも10万円。これがいいというのなら、お金で民主主義をゆがめてはいけないという公職選挙法や政治資金規正法の目的を、ゆがめることになるのではないか」と反論した。
杉村氏は「公選法はあくまで選挙区内での買収を禁止しているし、政治家が気をつけないと行けないのは贈収賄。これは本当にアウトだが、政治家だからと言ってすべての贈り物を禁じているわけではない、というのが私の理解です」と応酬。萩谷氏は「政治活動は、結構広くとらえられているじゃないですか」と指摘したが、杉村氏は「その対象は選挙区内なんですよ」と譲らず。
MCを務める大下容子アナウンサーが「解釈でどうにでもなるような条文になっているけれど、それを履行しているのは国会議員かなというところもある」と仲裁に入る場面もあった。
杉村氏は「僕は実際、公選法と政治資金規正法に縛られてやってきましたから。そこはかなり厳格なんですよ」と訴え「今、これだけ物価が上がっている時に、なんで石破さんが新人議員に10万円配っちゃうの?という怒りのポイントは分かりますよ。ただ、法的にこれが問題かといわれると、ちょっと私は、法的には問題はないんじゃないか、というのが僕の考えです」と、最後まで持論を曲げなかった。
通常の放送では、和気あいあいの雰囲気もみせる2人の生バトル。大下アナはここで2人の議論を引き取り、「ご覧になっている方が、どうお考えになったでしょうか」と視聴者に判断を委ねた。

