日本維新の会代表を務める大阪府の吉村洋文知事は20日、東京・JR新橋駅前で街頭演説した。演説の終盤に、今夏の参院選東京選挙区(改選6、今回は任期3年の1議席を合わせた計7議席)に、昨年の衆院選で落選した維新の前政調会長、音喜多駿氏(41)を擁立することを「重大発表」として生発表した。

「本当ですか?」と述べる音喜多氏に「はい」と応じた吉村氏は、昨年の衆院選後、「社会保険料引き下げを実現する会」代表を務める音喜多氏について「本当に腹をくくってやってくれている」と評価。「社会保障の改革は、めっちゃ賛否がある。みなさん、できれば触れたくないがだれかがやらなきゃいけないところを、音喜多さんは東京で正面から訴えて(昨年の衆院選で)落選した。でも、逃げずに訴えた音喜多さんこそがふさわしい」と、擁立の理由に触れた。「(落選後)どうするのかと思ったら、普通はめげるが、めげずに『社会保険料引き下げを実現する会』を立ち上げた。それを訴えて負けたのに、またそこをさらに掘り下げ、やっぱりここが問題だということで正面から訴えるのを見た時、音喜多さんこそが東京の代表として頑張ってほしいと思った」とも述べた。

東京選挙区は各党が候補を擁立する参院選最大の激戦区だが、「自民党は強いですが、本当にこのままでいいんですか。僕はそうは思わない」とも訴えた。

吉村氏の発表を受けてマイクを握った音喜多氏は「衆院選では、社会保障制度改革、社会保険料の引き下げを公約の最優先に掲げて、落選した。自ら参院の職を辞して衆院に出たわけですから、『出戻り』というのはいかがなものかと。今の日本維新の会の厳しい状況をつくったのは、前執行部の私の責任という厳しい言葉があるのも、十分理解している」と、自身への風当たりの強さに言及。その上で「この数カ月、悩みに悩んだが、社会保険料の問題、世代間格差を生む社会保障制度をこのままにしておくわけにはいかない。責任が私にあるからこそ、もう1度、東京の選挙区で社会保障制度を正面から掲げ、勝ち抜くことで、私自身の責任を果たさせていただきたい」と訴えた。

音喜多氏は、民間企業を経て東京都議を2期務め、2019年参院選東京選挙区で初当選。党政調会長も務めた。昨年の衆院選で、東京1区にくら替え出馬したが落選。落選後は、「社会保険料引き下げを実現する会」を発足し、代表に就任。現在は「ブロガー政界浪人」を自称し、発信を続けている。