27日に行われた衆院予算委員会で、高市早苗首相が強い意欲を示す26年度予算案の年度内成立をめぐり、もし実現しなかった場合の暫定予算編成の可能性を問われ続けた高市首相に対し、隣席の片山さつき財務相が絶妙な言葉回しや切り返しで「助け舟」を出し、乗り切る場面があった。
暫定予算を編成する準備の可能性はあるのか、粘っこく質問を続けた中道改革連合の後藤祐一議員は、片山氏の「ここで内々(ないない)の話は、ない」などのダジャレをまじえつつも、「いついかなることがあっても準備をする、ということでやっている」ときっぱり切り返す答弁に、「さすがです」と、「脱帽」する形となった。
26年度予算案の年度内成立は、高市首相が、本来予算案審議の期間である1月から2月にかけて解散総選挙に踏み切ったことで困難とみられてきたが、高市首相は年度内成立に強い意欲をみせ、野党にも協力を呼び掛けている。26日の参院代表質問では、26年度予算案が3月末までに成立しない場合の暫定予算の編成に関し、片山氏に指示はしていないと述べ、あくまで年度内成立を目指す考えを示している。
この日の委員会でも高市首相は、後藤氏に暫定予算編成の準備について「一般論」として再三問われたが、「国会での審議には誠実に対応したい。令和8年度の予算についてご審議をいただいているさなかで、今の段階で暫定予算について私から申し上げることはございません」と応じた。
官僚出身の後藤氏は「言えないのは分かっているので一般論で聞いている」とした上で、「国会では予算を出せない。提案権を持つ政府の責任として、そういう状況になった場合(暫定予算対応を)やりますか」と食い下がったが、高市首相は「一般論」として「政府の責任を果たす用意はございますが、あくまでも何とか国民のみなさまのためにも、力を合わせてご理解をたまわり、私どもも(国会審議に)誠実に対応してまいりますので、年度内成立にお力をたまわりますよう、伏して、伏してお願い申し上げます」と述べ、答弁席に手をついて頭を下げ、協力を呼び掛けた。
後藤氏はその後も、暫定予算編成の事態となった場合、小学校給食の実質無償化や私学の高校無償化への対応などを細かく問い、「(26年度予算案が)間に合ったら間に合ったでいいですが、参院は与野党の(構成の)状況が(衆院と)全然違う。もし間に合わなかった場合、(暫定予算の)準備を始めないと間に合わない。内々でもいいですから、プランBとして」「外に向けて言えないのは分かるが、その場合に備えて内々にでも準備を始めておくべきではないか」と、「内々に」を連発しながら食い下がった。
ここで、財務省で女性初の主計局主計官を務めた経験を持つ片山氏が答弁に立った。暫定予算の準備に関する後藤氏の質問に対し、「私も長くこの世界でこの仕事をしていますが、現状においてどうだ、という議論をするタイミングではないのではないかなと。今(準備が)できていないからといって、私どもの予算編成作業について、どうこうという状況ではないのではないかと思っている」とかわした。
後藤氏は「年度内成立ができないと分かった瞬間に、そこで(算定予算編成の)指示を出すんですか? 内々に指示して準備をある程度しておいて、ある段階から表で言えるようになっていくのではないか」「内々の準備はしないと断言できるんですか? 内々での準備は、してはいけないんですか」と、畳みかけた。
これに対し、片山氏は「先ほどから『内々のお話』がだいぶ出ておりますが、このテレビ(中継)入りの予算委員会で(内々の話を)言うほど、内々ではない世界はこの世にありませんので」と、ジョークをまじえて切り返した。「霞が関でのご経験が長い後藤委員がおっしゃる言葉には含蓄もあるかと思いますが、ここ(の場)で『内々の話』は、あまりないのかなと思いながら、私どもは、いついかなる時にも、どういうことがあっても準備をするということでやっておりますので」と答えた。
ユーモアをまじえつつ、「いついかなる時にも準備する」と答えた片山氏の対応に、後藤氏は「財務大臣、答弁、上手ですね。いかなることがあっても準備すると。さすがですよ」と応じざるを得ず、「準備をしてください。今の(答弁)で(暫定予算への)準備をしても怒られないことは分かったので」と応じた。

