<小倉記念>

マリアエレーナは好スタートから内ラチ沿いを走れたのが勝因だ。1分57秒台が出る高速馬場。松山騎手が「最内の馬場が良かった」と言うように内、外の差は大きい。小回りの小倉なら、なおさらだ。1コーナーまでのポジション争いが激しくなる中、3番手の内を譲らなかった。タガノディアマンテ、ムジカ、ピースオブエイトあたりも積極的に出してきており、主張しなければ位置取りが悪くなっていただろう。

勝負どころでの上がり方も文句なしだ。4コーナー手前で2番手ショウナンバルディの手応えが怪しくなると、外からまくってきたダブルシャープにかぶされる前に、逃げるシフルマンの外へ出した。この時点で勝負あり。直線に向いた時の手応えも十分で、あとは後続を突き放す一方。2着ヒンドゥタイムズに5馬身差をつけた。

前へいってメンバー最速34秒6の脚を使われては後続もお手上げだ。馬の状態もすごく良かったのだろうが、スタートから最初のコーナーまでの攻防を制したことが、高速決着での圧勝劇につながった。

直線で後続を大きく突き放すマリアエレーナ(左)(撮影・屋方直哉)
直線で後続を大きく突き放すマリアエレーナ(左)(撮影・屋方直哉)