ブローザホーンがスタミナ比べを制した。前半1000メートルは58秒3。良馬場でも「下が緩い」コンディションの中、ハイペースで流れた。しかもスタートから12秒7-10秒4-10秒6-11秒9とラップの上げ下げが目まぐるしく、うまく走らなければ体力を消耗する。ある意味、2コーナーまでの位置取りが勝敗を分けたといっても過言ではない。

直線外から伸びて日経新春杯を制したブローザホーン(左から4頭目)(撮影・白石智彦)
直線外から伸びて日経新春杯を制したブローザホーン(左から4頭目)(撮影・白石智彦)

最初のスタンド前はズブさを見せていたが、向正面では行きすぎず、下げすぎずの理想的なポジションを手に入れた。前を行くサトノグランツ、ハーツコンチェルトを目標に進められたのも良かった。残り800メートルからは2頭に引っ張ってもらう形で、余力を残して直線へ。4コーナーで外は回ったが、馬場のいいところへ導いた菅原明騎手の判断も光った。

デビューは2歳11月と比較的早いが、初勝利まで9戦を要した遅咲き。420キロそこそこの小柄な馬体でもあり、無理使いを避けながら、距離適性を探ってきた。22年の暮れからは2000メートル以上の長距離仕様にシフト。スタミナとパワーが生きるレースを選択して、頭角を現した。陣営の我慢と手腕が実っての重賞初制覇。5歳馬だが伸びしろはあり、さらなる高みを目指せる。

日経新春杯を制したブローザホーンの首筋をたたいてねぎらう菅原明騎手(撮影・白石智彦)
日経新春杯を制したブローザホーンの首筋をたたいてねぎらう菅原明騎手(撮影・白石智彦)