今開催中に引退が発表された大井のモジアナフレイバー(牡7、福永)。今月18日の川崎マイラーズが現役最後のレースとなった。注目を集めてきた大井の雄も、年齢的にはベテランの域に差しかかった7歳。あと何回走る姿を見られるだろうかと、川崎のラチ沿いで写真を撮りながら思った。返し馬を見届けた福永師は「被写体がいいでしょう?」と笑顔。厩舎の大将、自慢の管理馬。「私から言うことではないですよね」と師は苦笑いで続けたが、コースを駆けるモジアナはこの日も格好よかった。レースを6着で走り終えると、その後に両前肢を痛めていることが判明。6日後の引退発表だった。

通算28戦10勝(うち中央2戦0勝)、重賞4勝。枠内で転倒し、除外となった17年6月の新馬戦、勝負どころを勢いよく駆け上がってきた19年東京大賞典(3着)、その次走フェブラリーSへの参戦(6着)、中止でかなわなかったドバイのレース、レコード決着に0秒3差の南部杯(3着)、発馬後につまずきながら直線突き抜けた昨年の川崎マイラーズ。現役生活には衝撃と挑戦、紆余(うよ)曲折があった。今後は種牡馬になる予定。まずは脚元と疲れを癒やしてほしいが、産駒の走る日も楽しみに待ちたい。【渡辺嘉朗】