東京ダービー2着10回の的場文男騎手。先月の引退記者会見で一番悔しかった2着を問われると「2着ではないんですけど」と5着に敗れた93年のブルーファミリーの話を始めた。それだけ悔しかったのだろう。
ゲートが悪く、今は廃止された外枠希望を2戦目から続けていた。だが、当時は2400メートル。最初のコーナーまで短く、外枠不利は明白。逃げ馬ならなおさらで、的場騎手は希望しないよう進言したという。それでも陣営は希望。14頭立て14番枠から逃げられずに敗れた。羽田盃まで続けた無敗の連勝も7でストップ。当時も「せめて5枠ぐらいなら」と悔しがっていた。
ブルーファミリーは92年デビュー。当時すでに日刊スポーツ(築地)で内勤のバイトを始めていた自分は現地観戦の機会が少なく、金曜に行われた東京ダービーはレース部でテレビ観戦だったと思う。最初に生で見たのは94年4月12日。火曜に行われた帝王賞。直線で中央馬3頭に捕まり0秒2差4着に敗れたが、結局この日が最初で最後の機会。的場騎手を背に快調に飛ばす本来の姿を1度でも現地で見られて良かった。【牛山基康】



