5月3日に最後の騎乗を終えた韓国のムン・セヨン騎手(45)が6日、今月の引退を前に大井競馬場に現れた。引退後は調教師となる。韓国の騎手は調教師免許を取得しても開業するまで騎乗できるが、裏を返せば開業直前まで騎乗していると研修や見学の時間がなく、その時間は騎乗しないことで捻出するしかない。
昨年12月に落馬。休養を余儀なくされ、転身を決めた。それでもそのまま引退するのではなく、ファンに最後の姿を見せようと5月に2日間だけ復帰。7月に開業することが決まっていたため、この2カ月をその時間に充てたわけだ。14年に行われた韓国交流のインタラクションCで韓国馬に騎乗して以来、12年ぶりの大井。まずは当時を懐かしんでいたが、今回の目的は調教や厩舎の見学。開業する前に短時間でもいいので見ておきたいと来日した。
厩舎を開業するのはソウル競馬場。大井競馬場と同様、競馬場に厩舎が併設されている。案内を買って出てくれた大井の藤田師に、ソウルとの違いを確認したり、ソウルの現状の問題点を語る姿に、騎手として長らくリーディングに君臨してきた理由を垣間見た。ムン・セヨン騎手は「日本には職人気質がありますね。大井で見たり聞いたりしたことのなかから、ソウルでできることを考えていきたい」。調教師としても韓国競馬を牽引(けんいん)していきそうだ。【牛山基康】



