暑熱対策の夏競馬、みなさん、しっかり“休憩”してますか-。ずっと気になってはいたけれど、なかなか利用する機会がなかった“あのホテル”。
新潟競馬場の向正面に見えるファッショナブルな建物の中はどうなっているのか。そして、あそこから競馬場を望むとどんな風景が広がっているのか。今回の「ケイバラプソディー」はちょっと大人向け。奥岡幹浩記者が、競馬メディア未踏の現場に潜入した。
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ダブルベッドの脇に設けられた窓の扉を開けると、まぶしい光景が広がった。緑の木々の向こうに、青い空と大きなスタンドが見える。眼下には色鮮やかなターフと白いダート。その手前には川が流れている。
ここは「ホテルUs(ユーズ)競馬場」の一室。新潟競馬場に隣接し、向正面2コーナー寄りに建つ。ラブホテルとしては新潟市内最大級の客室数となる50室を有する。支配人によれば「競馬場を一望されるのでしたら、客室最上階にある7階の4部屋(701号室、703号室、705号室、711号室)がおすすめです」。6階の一部の部屋からも眺められる。
ここにしかない特観席だ。発走地点付近の様子や向正面の攻防など、スタンドとは異なる角度から間近で堪能できる。ゴール板付近は木に隠れて見えづらそうだが、各部屋に備え付けのテレビで競馬中継を視聴可能。空調の効いた快適なプライベート空間で、とっておきの競馬観戦を楽しめる。
ホテル開業は1992年7月。新潟名物の直線1000メートルコースが登場する10年近く前で、当時、この地の競馬場は右回りだった。その後、新潟競馬場はスタンドもコースも一新。隣接するホテルも改装を重ねつつ、熱戦を見守ってきた。
競馬場正門まで徒歩10分程度。車ならあっという間の至近距離にある。「多くの競馬ファンの方に利用していただいていると感じます。競馬開催中は明らかに、隣県ナンバーのお車でいらっしゃるお客さまが増えます」。1人客の利用も可能で、飲食の持ち込みは自由。人気のカレーうどんをはじめ、フードメニューやドリンクの提供もある。
近年、夏の新潟競馬は暑熱対策として、昼休みが大幅に延長されている。競馬の休憩時間中に、すぐそばのホテルを休憩利用するファンはいるのだろうか。「競馬のタイムスケジュールの影響かどうかはわかりませんが、ここ数年、お昼すぎからご利用されるお客さまが大きく増えている傾向は感じています」。競走時間帯の拡大は、意外な形で近隣施設に波及効果を与えているのかもしれない。
競馬場のスタンドから眺めると、存在感たっぷりのこの施設。とはいえテレビの競馬中継には、あまり映らないような気もする。ホテル側も同じ認識のようで「なかなか映していただけないのかなと感じることはあります。景観上、やはり難しいのでしょうかね」。それでも、最近では『ウマ娘』で建物の形が再現されていると話題になるなど、認知度は十分。人気番組『アメトーーク!』で、競馬好き芸人に取り上げられたこともある。
競馬記者が取材で訪ねてきたのは「今回の日刊スポーツさんが初めて」とのこと。メディアからインタビューを受けること自体がこれまでなかったという。せっかくなので、競馬場を一望できる7階以外の客室も見せてもらった。
さまざまなコンセプトルームが用意されていることもこのホテルの特徴。なかでも1番人気は「病院の診療室」をモチーフとした空間だ。診察台が設置されるなど完成度は高く、白衣などのコスプレも用意。馬券で痛い目にあったとしても、愛情たっぷりの治療で気力や体力を回復できそうだ。
「学校の教室」も好評という。学校机に新聞やノートを広げたり、備え付けの黒板に馬名や展開図を記せば予想もはかどりそう。2人で禁断の授業を行えば、正解となる買い目を導き出せるかもしれない。
ほかにも「工事現場」「和牢獄」「モンゴルのゲル」など、珍しい空間をいくつも用意。さらに、女性デザイナーが手がけたスタイリッシュな客室も増えている。30代前半の2代目支配人は、柔軟な発想でラブホテル経営を展開する。「女性に選んでもらえるホテルを意識しています。幅広い年齢のお客さまに、いつもと違う刺激を味わっていただければ」。非日常を楽しめる競馬場の向こう側には、さらなる非日常空間があった。【奥岡幹浩】(ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「ケイバ・ラプソディー~楽しい競馬~」)
「デリバリー」の利用状況や「ジョッキーも安心して利用可能なシステム」、「勝負服のコスプレやムチの小道具の有無」など、ここでは紹介できなかったマニアックな内容については、会員制サイト日刊スポーツ競馬極ウマでどうぞ。当コラムがアップされた翌19日、支配人との一問一答をたっぷり掲載いたします。





















