ドーヴィルはドーバー海峡に面するフランスを代表する避暑地です。パリからはパリ北駅始発の電車で約2時間、シャルル・ド・ゴール空港からレンタカーを飛ばせば2時間かからずに到着します。映画「男と女」の舞台となった場所で、白砂のビーチに伸びる板張りの遊歩道「ラ・プランシュ」とカラフルなパラソル群、海水浴客が使う白いキャビンのコントラストがリゾートの雰囲気を醸し出す一方、街にはエルメス、シャネルなどのハイブランドの店が並び、ランドマークのホテル・ノルマンディには本格的なカジノもあってバカンスの濃密な時間を過ごすことができます。

街にはドーヴィルとクレールフォンテーヌの2つの競馬場があって、重賞などの格式の高いレースはドーヴィルで開催され、クレールフォンテーヌでは平地の未勝利戦やハンデ戦、それにアマチュア騎手によるレースや置き障害を飛ぶジャンプ競走が行われ華やかです。

7日日曜、ドーヴィル競馬場で行われるG1モーリスドゲスト賞(芝直線1300メートル)は今年で区切りの100回目を迎える伝統の一戦です。フランスの夏の短距離王決定戦という位置付けで、負担重量は4歳以上59キロ、3歳57キロ(牝馬1・5キロ減)。せん馬も出られるレースです。

今から24年前の1998年には森秀行厩舎の外国産馬シーキングザパール(牝、父シーキングザゴールド)が武豊騎手とのコンビで優勝、日本調教馬による欧州G1初制覇を飾って、タイキシャトルが優勝した翌週のG1ジャックルマロワ賞にバトンをつなぎました。

キングエルメス(牡3、父ロードカナロア、矢作)は7月9日のG1ジュライC(ニューマーケット、芝直線1200メートル)からの欧州2戦目。坂井瑠星騎手とともに臨んだ前走は途中まで先行馬群に取り付いて頑張ったものの、残り200メートルあたりで後退、勝ったアルコールフリーから約7馬身半差の11着でレースを終えました。

ジュライCではゲートで立ち遅れたこともあってマイペースというわけにはいきませんでしたが、ニューマーケットからドーヴィルに移動して滞在競馬となる一戦で、大きな変わり身が期待できそうです。

欧州勢は前走のG1ジュライCで1番人気を裏切って7着に終わったパーフェクトパワー(牡3、父アーダッド、R・フェイヒー)、同レースで2着したネイヴァルクラウン(牡4、父ドバウィ、C・アップルビー)、同3着のオーストラリア調教馬アルトーリアス(牡4、父フライングアーティー、A&S・フリードマン)、7月のリステッド競走キステナ賞(ドーヴィル、芝直線1200メートル)まで3連勝中の上がり馬、ハリースリー(牡3、父アダーイ、C・コックス)、それに昨年夏のG2カルヴァドス賞(ドーヴィル、芝直線1400メートル)に勝っているアッカバ(牝3、父アクラメーション、C・フェルランド厩舎)などが出走を予定しています。(ターフライライター奥野庸介)

※レース成績などは8月5日現在

飲茶の交友関係(笑い)
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