世紀の一戦がついに実現します。香港のビッグ3が一堂に会して覇を競うG1スチュワーズC(シャティン、芝1600メートル)は29日(日)、日本時間の午後5時5分にスタートします。出走馬は7頭。C・ホー騎手のゴールデンシックスティ(セン7、父メダーリアドーロ)が最内の1番枠を引き、K・ティータン騎手のロマンチックウォリアー(セン5、父アクラメーション)が隣の2番枠、そしてZ・パートン騎手で逃げるカリフォルニアスパングル(セン5、父スタースパングルドバナー)は3番枠。まるで図ったかのような並びになりました。

スチュワーズC

枠番 馬名 性齢 騎手

1 ゴールデンシックスティ セン7 C・ホー

2 ロマンチックウォリアー セン5 K・ティータン

3 カリフォルニアスパングル セン5 Z・パートン

4 ワイクク セン7 R・ムーア

5 ロシアンエンペラー セン6 H・ベントレー

6 ビューティージョイ セン6 H・ボウマン

7 パンフィールド 牡6 A・アムラン

マイル路線を主戦場とするゴールデンシックスティ(香港レーティング130)とカリフォルニアスパングル(同129)はこれまで3度対戦してゴールデンシックスティが1、1、2着。カリフォルニアスパングルとロマンチックウォリアー(同130)は昨春の香港ダービーを含む4歳3冠シリーズでぶつかってロマンチックウォリアーが1、4、1着。カリフォルニアスパングルは両馬と対戦して負け越していますが、それぞれ1度の優勝は逃げ切り勝ちで、路線の異なるゴールデンシックスティとロマンチックウォリアーはこれが初対戦になります。

ロマンチックウォリアーがマイル戦に出走するのは、スチュワーズCを皮切りに2月の香港ゴールドC(G1、芝2000メートル)、そして、5月のチャンピオンズ&チャターC(G1、芝2400メートル)で完結する“トリプルクラウン”(香港古馬3冠、過去にリヴァーヴァードンだけが達成)を視野に入れているからに他なりません。

2000メートルで最も力を発揮するロマンチックウォリアーにとって、ここを突破出来れば、史上2頭目の栄誉がグンと近づき、前走の香港マイルでカリフォルニアスパングルの逃げ切りを許したゴールデンシックスティは巻き返しの一戦。カリフォルニアスパングルにとっては、頭上の2頭を負かして世代交代をきっぱりとアピールする格好の舞台です。

1600メートルの持ち時計はゴールデンシックスティが1分32秒81(昨年のチャンピオンズマイル優勝)、ロマンチックウォリアーは1分33秒80(昨年の香港クラシックマイル優勝)、カリフォルニアスパングルは1分33秒14(昨年の香港チャンピオンズマイル2着)で、時計どおりならゴールデンシックスティのものですが、一戦ごとに力をつけている5歳馬の成長は侮れません。

筆者の見解は脚質有利と見て、カリフォルニアスパングル◎、香港カップで1桁上のパフォーマンスを披露したロマンチックウォリアーが逆転の可能性ありの◯、ゴールデンシックスティを▲としました。

蚊帳の外に置かれている他の4頭の中では距離に慣れているワイクク、ビューティージョイあたりがダークホース候補に挙げられますが、前者はゴールデンシックスティを2着に退けた昨年のスチュワーズCで燃え尽きてしまったかのように元気がなく、ここまで6連敗中、後者も昨年9月に始まった2022/23年シーズンでは5戦して2着が1度きり。ともに強調材料に乏しいようです。

果たして大方の見方どおり3強で決まるのか、その一角が崩れて波乱となるのか…。今年の香港競馬を占う意味でも見逃せない一戦になりそうです。

(ターフライタ奥野庸介)競走成績等は2023年1月27日現在

※来週は休載します。次回更新は2月10日(金)の予定です。

挑戦を受ける王者ゴールデンシックスティ!
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