総賞金2000万ドル(約30億円)、優勝賞金1000万ドル(約15億円)。世界最高の賞金額を誇るG1サウジカップ(キングアブドゥルアジーズ、ダート1800メートル)が2月24日(土曜)に行われます。

舞台となるキングアブドゥルアジーズ競馬場は米国のベルモントパーク競馬場をお手本につくられた左回りのダートコースがメインの競馬場。コースはほぼ平たんで、ダートコースの1周は約2000メートル、幅員24メートル。サウジカップは向正面の右奥にのびるシュートを使ってワンターンの競馬となります。芝コースはダートコースの内側にあって1周が約1800メートル、幅員は20メートル。直線は約500メートルです。ダート、芝ともに強い日差しによる乾燥を防ぐために散水が頻繁に施され、芝は馬の脚に負担のかからない“Good to Firm”にコントロールされています。

出走する14頭のうちサウジアラビア籍のカーメルロード、ディファンデッド、パワーインナンバーズ、スコットランドヤードと、米国のホワイトアバリオ(ファイサル殿下が一部所有権を所有)とサウジクラウン(馬主はサウジアラビアの石油関連企業FMQを率いるモハメド・アルカターニ氏)はサウジに縁のある人物が馬主になっています。

この中で最も脈がありそうなのはホワイトアバリオ(牡5、父レースデイ、R・ダトローJr.厩舎)でしょうが、地元の声援を追い風に馬券に届けば高配当間違いなしという馬が、カーメルロード(牡4、父クオリティロード、A.アルバダー厩舎)です。

ボブ・バファート厩舎とティム・ヤクティーン厩舎を経てサウジに渡ったカーメルロードは米国で一昨年8月にデビューし、その年に4戦1勝。G1ブリーダーズフューチュリティ(キーンランド、ダート1700メートル)は勝ったフォルテから離された13着でしたが、続くG2ロスアラミトスフューチュリティ(ロスアラミトス、ダート1700メートル)でプラクティカルムーヴの2着に盛り返しました。ケンタッキー出禁のバファート厩舎のままではケンタッキーダービーに出られないのでヤクティーン厩舎に移って、出走した3月のG3ゴッサムステークス(アケダクト、ダート1600メートル)で8着した後、サウジ王族に購入されてアブデュラ・アルバダー厩舎に移籍しました。

サウジ初戦となった一般戦はスコットランドヤードの2着でしたが、2戦目となった1月13日のキングファイサルカップ(キングアブドゥルアジーズ、ダート1600メートル)では使われた強みを発揮して、直線追い出されると後続を離して2着に7馬身半差をつけて圧勝しました。

大外枠で人気はありませんが、同じ父(クオリティロード)の産駒で一昨年のサウジカップで大穴をあけたエムブレムロードとイメージが重なります。コロンビア出身のカミーロ・オスピーナ騎手が、本番でも手綱を握ることも買い材料でしょう。(ターフライター奥野庸介)

※成績などは2024年2月22日現在