日仏G1・5勝馬タイキシャトルが17日、急死した。28歳だった。NPO法人引退馬協会がホームページで発表した。繋養(けいよう)先のノーザンレイク(北海道新冠町)によると、死因は老衰による心不全。前日16日までは食欲旺盛で、牧場のSNSには馬房で穏やかに過ごす動画も投稿されていたが、この日早朝5時ごろに馬房で横たわっている状態で発見されたという。

今年2月で定年解散した藤沢和雄厩舎から97年4月にデビュー。3歳時のユニコーンSで重賞初制覇を飾ると、連勝街道に乗った。3歳にして古馬G1のマイルCS、スプリンターズSを立て続けに勝ち、同年の最優秀短距離馬に選出された。翌98年には安田記念優勝後にフランスへ渡り、主戦の岡部幸雄騎手とジャックルマロワ賞制覇で世界に衝撃を与えた。帰国初戦のマイルCS連覇を成し遂げ、2年連続の最優秀短距離馬となり、短距離馬としては初めての年度代表馬にも選ばれた。通算成績は13戦11勝(海外1戦1勝)、重賞は8勝を挙げた。引退後の99年には顕彰馬に選出され、殿堂入りを果たした。

藤沢和雄元師は「今朝、亡くなったという連絡をいただきました。日本で活躍してジャックルマロワ賞を勝って、今でもやはり秋の天皇賞を使えていれば、という気持ちがあります。子どもたちもG1を勝つ馬が出たし、ブルードメアサイアーとしても血を残している。よく頑張ってくれました。素晴らしい馬でした」と話した。

引退後は17年まで種牡馬生活(19年に去勢)を続け、ウインクリューガーやメイショウボーラーなどが重賞戦線で活躍。母父としては14年ダービー馬ワンアンドオンリー、17年桜花賞馬レーヌミノルといったクラシックホースが出るなど、生産界にも大きな影響を与えた。

◆タイキシャトル▽父 父デヴィルズバッグ▽母 ウェルシュマフィン(カーリアン)▽牡▽馬主 (有)大樹ファーム▽調教師 藤沢和雄(美浦)▽生産者 米国▽戦績 13戦11勝(うち海外1戦1勝)▽総収得賞金 6億3770万5000円(うち海外2222万円)▽主な勝ち鞍 97年ユニコーンS(G3)スワンS(G2)マイルCS(G1)スプリンターズS(G1)98年京王杯SC(G2)安田記念(G1)ジャックルマロワ賞(G1)マイルCS(G1)