JRAは8日、令和5年度の新規調教師試験の合格者を発表した。美浦からは元JRA騎手の千葉直人助手(36=鈴木伸尋厩舎)や、森一誠(45=堀宣行厩舎)、矢嶋大樹(43=手塚貴久厩舎)助手の3人がトレーナーとして新たなスタートを切ることになった。

元JRA騎手で、現在鈴木伸厩舎の千葉助手は8回目の受験で合格した。「騎手時代から自分だったらこういう調教、こういうレースを使いたいと思うことがあった。誠実に馬主さんに向き合っていい馬を預けていただいて、そしてその馬をファンの皆さまの前に輩出できるようにしたいです」と目標を掲げた。

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堀厩舎の森助手は7回目の受験で道を切り開いた。東京農工大学出身。目標とする調教師に自厩舎の堀師に加え、同大学の馬術部の先輩である国枝、小桧山師を挙げた。「堀先生の下で馬の扱い方など全てを学びました。国枝先生は私がこの世界に入ってきてから気に掛けてくれて、マスコミを通してファン目線に立って対応している方。小桧山先生は多くの騎手や調教師を輩出していて、人柄などを見習っていきたいです」とコメントした。

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矢嶋助手は香港国際競走のため海外に遠征中。この日行われた枠順抽選会で姿を見せ、笑顔で試験合格を受け止めた。「現在所属している手塚厩舎が目標ですが、将来的には手塚調教師を超えるような調教師になりたいです」と話した。

◆調教師略歴<1>生年月日<2>年齢<3>所属<4>受験回数<5>志望動機<6>目標<7>抱負

◆千葉直人(ちば・なおと)<1>1986年(昭61)7月30日<2>36歳<3>美浦・鈴木伸<4>8回<5>騎手時代から自分なりに調教や使いたいレースがあった<6>和気あいあいと楽しい雰囲気でやりたい<7>馬主と誠実に向き合っていい馬を預けてもらい、それをファンの皆さまの前に輩出したい。1戦1戦勝負ですので、1つでも多く勝ちたい

◆森一誠(もり・かずとも)<1>1977年(昭52)9月28日<2>45歳<3>美浦・堀<4>7回<5>モーリスやドゥラメンテなど世界で活躍した馬を見て、自分でも手掛けてみたいと思った<6>スタッフと意見交換ができる風通しのいい厩舎<7>ファンに愛される厩舎。一番勝ちたいレースは有馬記念。いちファンの頃から好きでした。

◆矢嶋大樹(やじま・だいき)<1>1979年(昭54)8月2日<2>43歳<3>美浦・手塚<4>不明<5>調教助手になってからいろいろな方の支援があって、調教師を目指す気持ちが強くなった<6>現在所属している手塚厩舎が目標。将来的には手塚調教師を超えられるようになりたい<7>それぞれの特徴を生かした個性ある馬を育てていけたらと思います