グランドオープンを彩るのはこの男だ! レジェンド武豊騎手(54)が新装された京都競馬場での実戦に向け、意気込みを口にした。開幕レースとなる22日土曜1R(3歳未勝利、芝2000メートル)ではディープインパクト産駒のスイープアワーズ(牡、友道)に騎乗。新装後、最初の重賞となる23日日曜のマイラーズC(G2、芝1600メートル)はエアロロノア(牡6、笹田)で“1番星”を狙う。

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京都競馬場の完成を誰よりも心待ちにしていたのは、レジェンドだったのかもしれない。「やっと俺の庭ができあがったわ。長かったな、2年半」。武豊騎手は笑みを浮かべながら、そう話した。

工事中にも視察に行き、10日の竣工(しゅんこう)式典も参加した。「芝なんか最高だね。水はけもよくなっている。スタンドを含めて世界最高の競馬場じゃないかな」と大絶賛。世界の競馬場を知る名手の言葉に、完成度の高さがうかがえる。「スタンドも、シートとかが広くて見やすいみたいだし。京都は観光の街だから、競馬場もぜひ見に来てほしいね」。観客で盛り上がる競馬場を楽しみにしていた。

その新・京都競馬場のポイントについて、阪神と比較してこう話す。「阪神はパワーが必要なタイプで、切れ味がそがれる感じがする。京都は阪神より芝もダートも軽いイメージ。スピードタイプ」。

そして、ディープインパクト産駒は成績がいいイメージがあると言う。その言葉通り、86年以降の京都芝の種牡馬成績で、同産駒は歴代1位の432勝。ともに3冠目の菊花賞を制したのももちろん京都だ。

くしくも、開幕レースとなる土曜1Rでタッグを組むスイープアワーズはディープ産駒。母スイープトウショウも京都でG1を2勝しており、“運命”ともいえる。「気性は幼いけど、乗り味はいい。内回りだけど京都に替わるのはいいと思う」と舞台替わりを歓迎する。日曜のマイラーズCではエアロロノアに騎乗。「もう少しのところまできている。京都がいい方に出ればいいかな」。JRA重賞355勝目でリニューアルを祝う勝利を飾りたい。【下村琴葉】

■岩田康にも注目

京都を得意とするベテラン岩田康騎手の手綱さばきにも注目だ。京都では505勝を挙げ、現役騎手では2位。3~4角の坂や独特なコーナーに「面白いコースだと思う」と表現する。「馬場は開幕週でいいと思うけど、クッション値もいいだろうし。時計がどうなるかな」とイメージを膨らませていた。今週は土日とも京都に参戦。日曜11RマイラーズCのビーアストニッシドなど計6鞍に騎乗。