3番人気キミワクイーン(牝4、奥村武)が5度目の重賞挑戦で初制覇を成し遂げた。

直線鮮やかに差し切った。勝ち時計は1分8秒2。デビュー7年目の横山武史騎手(24=鈴木伸)はJRA重賞17勝目を手にして、北海道シリーズでは初タイトルとなった。

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馬にとっては5度目の重賞挑戦だった。開幕週の芝は前が止まらず内が伸びた。キミワクイーンは4角10番手で直線へ。進路は大外を選んだ。それでもただ1頭、突っ込んできた。横山武騎手は語気を強める。「開幕週でしたから、前がどうかなと。それでも素晴らしい伸びを見せてくれました。真面目な子。本当に助けられました」。感謝し続けた。

鞍上にとっては25度目の挑戦だった。これまでJRA重賞16勝、G1・6勝のホープは札幌、函館の重賞には縁がなかった。だからこそ、喜びが大きかった。「小さい時から遊びに来ていて、第2の地元だと思っています。大好きな北海道で重賞を勝てたことは何よりもうれしいです」。キミワクイーンが2着に敗れた前走春雷S後、函館のスプリント戦がこの馬には合うと奥村武師に直談判。それが正しかったことを結果で示した。今後はキーンランドC(G3、芝1200メートル、8月27日=札幌)を目標に調整され、北の大地で躍進を続ける。

レース後、ファンサービスを終えると拍手が巻き起こった。東京ではエプソムCを兄の横山和騎手が制した。兄弟騎手同日重賞制覇。「和生でしょ? よっしゃ!」。自分の勝利以上に喜んだ。【阿部泰斉】

 

◆キミワクイーン▽父 ロードカナロア▽母 チェリーペトルズ(ダイワメジャー)▽牝4▽馬主 浦辺輝実▽調教師 奥村武(美浦)▽生産者 追分ファーム(北海道安平町)▽戦績 11戦5勝▽総収得賞金 1億852万3000円▽馬名の由来 屋号+女王