壮観です。新しくなった美浦坂路の竣工式が20日昼に行われました。JRA吉田正義理事長が「ダムをひとつ作るのに匹敵する大工事」と話すのも納得です。従来のコースを地下に16メートル掘り下げ、両サイドはコンクリートの壁。だけど、圧迫感はありません。前半部分が大幅改造された新坂路の高低差は18メートル増したことで33メートルとなり、栗東のそれを1メートル上回りました。

 

中央競馬は“西高東低”と言われて久しいです。ここ3年だけを見ても、

20年関東1459勝、関西2005勝

21年関東1435勝、関西2030勝

22年関東1416勝、関西2042勝

と勝利数に大きな開きがあります。数字は東西トレセンの立地も影響していると思いますが、設備面が改善されたことでこの差が少しでも埋まることを願うばかりです。

 

式典に参加し、テープカットも行った日本騎手クラブ相談役の柴田善臣騎手は「すごいよね。全然違うよ。オーバーワークにならないよう、うまく使いながらやっていきたいね。いい施設ができたから、一般の方に向けた見学会もやればいいのにね。(関東馬の)勢いがついてほしい」と起爆剤になることを望んでいました。

坂路のことを関係者は「山」とも呼びます。竣工式は内覧会も兼ねていたので、頂上まで登ってみました。調教時計の計測区間の勾配は3%。全て走り切るのはさすがに無理なので、ラスト100メートルだけ舟元記者と併せ馬。最初から最後まで一瞬たりとも並ぶことなく、大差先着を果たしました。21日は試走会が行われます。そこでの乗り手の感想もお伝えできればと思います。【松田直樹】