ディープインパクト産駒の英愛ダービー馬オーギュストロダン(牡3、A・オブライエン)が、同じ父の日本馬シャフリヤールとのダービー馬対決を制し、米国の地で5つ目のG1タイトルを手にした。A・オブライエン師は16年ハイランドリール以来、BCターフ7勝目。自身が持つ同レースの歴代最多勝記録を更新した。

今度は米国で、父ディープのすごさを見せつけた。ヨーロッパを中心に活躍してきたオーギュストロダンだが、コースが替わってもその強さは何も変わらなかった。R・ムーア騎手に導かれ、道中は中団の後ろを追走。タイトな最終コーナーでは最内を器用に回り、最後の直線もラチ沿いからディープ譲りの末脚を繰り出した。

数々の名馬を送り出してきたA・オブライエン師も驚く強さ。「スーパーホースだ。本当に信じられない。彼に携われたのは本当に幸運だ」と改めて愛馬の能力をたたえた。鞍上のムーア騎手も「直線ではすぐに加速してくれた。彼の良さを見せてくれた。2つのダービーを勝ち、愛チャンピオンSも勝った。非常にうれしい」と喜んだ。

今後は今年で引退し、種牡馬入りすることが濃厚となっている。貴重なラストクロップ(最終世代)の1頭。ディープの血がまた世界に広がっていく。「日本の血統は無視できないし、今後、世界を席巻することになる」と言うA・オブライエン師の言葉通り、日本近代競馬の結晶ディープインパクトの血はこれからも世界で生き続ける。

日本ダービー馬シャフリヤール(牡5、藤原英)は3着。中団追走から馬群を割って伸びたが、オーギュストロダンにはわずかに及ばなかった。ただ、前走・札幌記念の11着大敗から見事に立ち直り、改めて高い能力を示した。

C・デムーロ騎手は「スタートをしっかり切れましたし、道中も手応え良くいけました。最後の直線はドバイで勝ったときのような体調に戻っていると感じました。喉の手術をして、能力を発揮できることが確認できましたし、次(香港ヴァーズの予定)は楽しみです」と復調を感じ、次なる目標を見据えた。

また、見守った藤原英師は「人馬パーフェクトな競馬でした。勝った馬が同じディープインパクト産駒のヨーロッパトップの馬ですし、競馬の内容はとても良かったと思います。シャフリヤールの喉の手術に関して尽力してくれたノーザンファーム関係者、そしてここまで一生懸命管理してくれたスタッフ、支えてくれた全ての関係者のみなさまに感謝しております。世界のホースマンが目指すブリーダーズCで上位に来られたことに感動を覚えております」と人馬の健闘をたたえ、改めて多くの関係者に感謝していた。

馬連(5)(8)960円、馬単(5)(8)1470円、3連複(1)(5)(8)3500円、3連単(5)(8)(1)1万1660円。

(注=成績、払戻金などは、必ず主催者発表のものと照合してください)