週末のG1サウジCは日米対抗戦の様相を見せています。

5頭を送る米国の大将格はBCクラシック(G1、ダート2000メートル)を制したホワイトアバリオ(牡5、父レースデイ)。1歳セリで売られた時の価格はわずか7500ドル(約113万円)でしたが、3歳時にフロリダダービー(G1、ダート1800メートル)を制し、昨年は年度代表馬のコディーズウィッシュを3着に退けホイットニーS(G1、ダート1800メートル)に優勝。BCクラシックは最終コーナーで先頭に立って、追い上げたデルマソトガケに1馬身差をつけて米国の頂点に立ちました。BCクラシック勝ち馬のサウジC参戦はこれが初。昨年末にサウジのファイサル殿下に一部所有権が譲渡され、レース当日は殿下のえんじの勝負服で出走するので、心情的にはサウジの代表になるのかもしれません。

これに次ぐのは昨年のプリークネスS(G1、ダート1900メートル)と先月27日のペガサスWC(G1、ダート1800メートル)を逃げ切っての参戦となるナショナルトレジャー(牡4、父クオリティロード)。過去にペガサスWC優勝から、ここへ臨んだムーチョグスト(20年)とニックスゴー(21年)はともに4着でしたが、果たして今年は…。

サウジクラウン(牡4、父オールウェイズドリーミング)はここまで7戦4勝。1月20日のルイジアナS(G3、ダート1700メートル)を約6馬身差で快勝して遠征を決めました。セニョールバスカドール(牡6、父マインシャフト)はペガサスWCの2着馬、ホイストザゴールド(牡5、父マインシャフト)は同4着からの参戦です。

ホスト国のサウジアラビア代表はパワーインナンバーズ(牡4、父ガーヴィン)です。米国のC・ブラウン厩舎で5戦3勝ののちサウジに移籍。1月27日の二聖モスクの守護者杯(L、ダート1800メートル)でスコットランドヤード(サウジC補欠馬)を差し返す勝負根性を見せて優勝。サウジ代表の座をつかみました。移籍後の戦績は5戦3勝、相性の良さをアピールしています。【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)