ドバイ国際競走の注目人物連載「世界へ挑む 侍ホースマン」の最終回は、川田将雅騎手(38)に迫る。

ウシュバテソーロ(牡7、高木)と連覇に挑むドバイワールドC(G1、ダート2000メートル、30日=メイダン)をはじめ、3冠牝馬リバティアイランド(牝4、中内田)と臨むドバイシーマC(G1、芝2410メートル)、そしてリメイク(牡5、新谷)で挑むドバイゴールデンシャヒーン(G1、ダート1200メートル)と、多くの視線を集める1日になる。

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その両肩に背負う期待や夢の大きさを実感する。

「今までのドバイの中で一番責任が重たいのは間違いないです」

世界中から名手が集う中、ひときわ多くの視線を集めるのが川田騎手だ。欧州のブックメーカーは騎乗馬3頭を1番人気に推す。

メインのワールドCでは、連覇を狙うウシュバテソーロと主役を張る。

「去年とは立場が違って、チャンピオンホースとして行くので、ふさわしい競馬をお見せできれば」

戦法は一貫して後方一気だ。よほどの度胸がないとできない騎乗なのでは…。

「はたから見れば、よくそんな競馬ができるなと思われるかもしれませんが、あれが彼の走りなので。彼が選んだ形なので、こちらが強制しているわけではありません。ともに戦う中で、彼の能力をすべて出そうとした結果です」

シーマクラシックで世界デビューに臨むのが3冠女王リバティアイランドだ。

「昨年、イクイノックスと戦わせていただいた経験を初めて見せる場になります。初めての海外ですし、そういうところを含めて彼女がどういう走りを見せるか。彼女の今年にとってとても大事な一戦になります」

ゴールデンシャヒーンではリメイクが日本馬としての初制覇を目指す。

「僕が乗せてもらうようになってから1年で、さらに力をつけて学んだことでサウジで勝つことができました。自信を持って向かえます。日本馬が勝ったことのないカテゴリーでも頂点に立てるように、引き続きこの馬らしく走れれば」

背中にのしかかる重圧も、苦にはならない。

「やることは変わらないので。責任の重さを感じてはいますが、1頭1頭と全力の競馬をするだけです」

ウイナーズサークルに何度現れるのか。忙しい日になりそうだ。【太田尚樹】