地方競馬のレジェンドジョッキー、“大井の帝王”、的場文男(まとば・ふみお)騎手(68)が3月31日付で現役を引退することが決まった。昨年12月13日の期限までに騎手免許更新を申し込まなかったため。2月14日、TCK特別区競馬組合が発表した。17日にマスコミを対象とした引退会見を行うことが決まり、このタイミングでの発表となった。なお、けがの影響もあり、大井競馬場での引退セレモニーなどの実施予定はないという
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的場文男騎手といえば、そのダイナミックなフォームを思い浮かべるファンも多いだろう。体を激しく上下させながら、腰を入れて馬を押し出す独特な騎乗フォームは「的場ダンス」と呼ばれた。
その独特なスタイルを確立したのはいつからか。以前、本紙取材に「25歳ぐらいだったかなあ。体を使って必死で追ううちに自然と。あれで伸びるんですよ、馬が。意識しなくて気がついたらという感じで」と答えている。
上半身が激しく動くことで逆に馬に負担はかからないのだろうか? そんな疑問もすぐに否定した。「自分は両ひざを締める力が人一倍強い。その力で鞍をガチッとはさむ。ひざがしっかりしているからあれだけ暴れてもバランスは崩れないんですよ。例えば運動会で子供を背中に乗せて走る競技があるでしょ。がんじがらめにすれば走りやすい。あれと同じ」。ひざの締め付けが強いエピソードとして、本人は160キロもある土佐ノ海(親交があった)に足相撲で勝ったことがあると語っていた。
肉体的には大きなくるぶしが特徴的だ。締め付ける力に肉や皮膚がたえられず何度も裂傷を繰り返した結果、くるぶしは1センチほど出っ張って化骨しカチンカチンとなった。ふともも、ふくらはぎと鞍に直接当たる部分は、まるで鋼のように硬かった。

