日本ハム上沢は、序盤の投球内容が完投勝利へとつながった。9人中6人が左打者の楽天打線に対し、直球とカットボールで内角を突き、体を開かせ、バットを詰まらせ、内角を意識させた。完投するには、最低でも同じ打者と3度対戦が巡る。試合序盤に「何か」を意識させておくことは、後半の勝負に優位に働く。
また6回2死一、二塁のピンチで島内を迎え、初球にこの日初めてフォークを投げた。1つの球種を「ここぞ」という状況まで取っておくことは、高度な作戦。あらためて、そういったことを考えながら投げられる投手であると感じた。
7回の松本の決勝打は、5回の打席の反省が生かされていた。1死一、三塁。相手バッテリーにとっては併殺が最高の形。最低でも三振を取りたい状況で、絶対にツーシームを投じてくる。3球目、そのツーシームを左前に運んだ。5回は2死一、二塁の好機に、初球を打って一邪飛。“何となく”で打ちにいってしまったような打撃だったが、反省を生かし、次の打席でしっかりと狙いを絞って打席に立った。継続してスタメンで出て行くには、こういった場面で狙いを絞ることも大事になる。ベンチの期待に応えた一打だった。(日刊スポーツ評論家、侍ジャパン投手コーチ)




