阪神が大山悠輔内野手(25)の27号ソロでサヨナラ勝利を収めた。

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阪神大山が打ったサヨナラ本塁打は外角の甘いストレートをとらえたものだった。その前の4球目スライダーのファウルはミスショットで、続くストレートをしっかりと打つことができた。

ファーストストライクから積極的に狙っていくのが特長の大山の成長は認めるところだ。ただインコースの厳しい球にはファウルになるなどとらえきれない場面が多い。ここは来シーズンへの課題になってくる。

また7回1死から陽川が放った左越え本塁打もナイスホームランだった。ヤクルト清水のインコースの球が甘く入ったが、ストレートを狙って打てたところに可能性を感じた。

陽川はライトの外野守備では判断ミスのプレーも目立つ。しかし糸井も故障がちなところもあるし、陽川の思い切りの良いバッティングは、レギュラーの座を脅かすレベルに近づいたとみる。

先発藤浪は十分に評価のできる投球だった。3回2死から3四球で満塁のピンチを招いたが後続を断った。四球で出塁を許してリズムとフォームのバランスを崩したのは反省点だ。

この回2死一塁、藤浪の一塁けん制のセーフ判定に阪神サイドのリクエスト要求で生じた微妙な“間”が影響したかもしれない。藤浪の場合は走者をためても盗塁に神経を使わず打者に専念することだ。

(日刊スポーツ評論家)