今宮が今年にかける思いをバットにぶつけて勝利に導いた。先制2ランを放ち、ダイヤモンドを1周している表情を見ると、今にも泣きだしそうな印象だった。昨年は日本一になったが、ケガで貢献できなかった。レギュラーとしては、思いは複雑で、正直に喜べない。自分もその経験をしたことがあるが、寂しい感じもする。今季にかける思いは、チームで一番強いと思っている。

今宮は開幕戦に強い。18年から4年連続で安打をマークし、打率は5割を残している。開幕戦は緊張する。打席で見逃せば余計に緊張する。だからこそ、積極的に振る必要がある。今季の第1打席の初球。この一振りはチームへ勇気を与えた。独特の開幕戦の緊張のなか、ベンチのみんなが「よし! これでいける」と思った。

オープン戦では結果が残せなかった周東は、1発を含む2安打を放った。初回、守備で先頭打者のゴロをさばいたことで気持ちが楽になったのもある。経験あるが、そんなものだ。その裏の第1打席では、変な緊張感も解けて本来の打撃を取り戻せた。その姿を見て、自主トレを共にした「先輩」の今宮も勇気をもらった。だから初球をフルスイングできた。(日刊スポーツ評論家)